第二章
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第二章
「それに暇を潰すのにはいいだろ」
「確かにね」
「おまけに色々なジャンルがあるしな。それをやればいいじゃないか」
「言われてみればそうね」
実は彼女は今までそうしたゲームをしてこなかった。興味もなかった。今時珍しいが学生結婚をしてそれから忙しかったからだ。結婚するまでも音楽大学に入る為にいつもレッスンに勉強だった。そうしたことに興味を持つ時間もなかったということである。
「それじゃあ」
「俺はゲームはしないがな」
「あなたの趣味は」
「ランニングとバイオリンだからな」
仕事自体もそれであるというのだ。
「その二つがあればそれでいいからな」
「そうだったわね。じゃあ私もね」
「ああ、試しにゲームでもしてみろ」
また妻に勧めた。
「少なくとも時間潰しにはなるからな」
「わかったわ。それじゃあね」
「ゲームはじめてみるんだな」
「子供もいないしね」
暇である最大の理由であった。主婦というものは子供がいないと時間が飽きる程あるのである。しかしできればそれが一変するのが現実である。
「そっちもね」
「ああ、わかってるさ」
航平は苦笑いで妻に返した。
「今夜もだな」
「そうよ。けれどこういうことはね」
「望んでもできない時はできないからな」
「そうよね。それが不思議よね」
「全くだな」
二人は今度は困った笑みになっていた。子供のことについては彼等もどうしようがなかった。こればかりは天からの授かりものであるからだ。
「しかし努力するか」
「じゃあ今夜もね」
「ベッドだな」
こうしてであった。早紀は夜は暇ではなかった。しかし朝起きて夫を送り出すとまた暇になる。それが嫌で夫を送り出すとすぐにゲームを買いに行った。
ゲームショップに行き話題のソフトを十本ばかり、ついでにウィルとプレイステーション本隊も買った。それからそのソフトの攻略本は本屋で見つけて買った。それからだった。
家に帰ってからゲームをはじめた。だがコントローラーの使い方さえわからなかった。
「ここをこうして?」
テレビにつなげることから格闘であった。
説明書を読みながらああだこうだとしてである。付けてである。それからやっとはじめた。
実際にはじめてみたが全く勝手がわからない。攻略本を読んでもそもそもキャラが誰なのかさえ全くわからないのだ。困ったことにである。
「何がどうなってるのよ」
早紀はテレビを前にして困惑した顔になっていた。
「ええと、これがこうなって」
本と画面を見ながらコントローラーを動かしている。プレイしているゲームは戦国無双であった。それをしながら困った顔になっているのである。
何もかもがわからず気付けばキャラクターが死んでいる。これの繰り返しである。
気付けば夕食を買
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