静かな夜〜
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俺は夜になると本陣周りを歩いていた。・・・やることもないし、すぐ眠れそうでもなかった。
「・・・」
部隊の再編成も終わったし・・・
「(少し体を動かすか・・・)」
そう思って俺は広い場所へ向かう。・・・ちなみに砕けた刺天猛虎は再びみんなの武器に戻った。そして・・・俺も蓮華も水蓮さんと繋がらなくなってしまった。
「(無事だとは思うけど・・・)」
そんな時、ふと気になる影を見つけた。
「シリカ?」
「あ、亮さん・・・」
「寝なくていいのか?」
シリカの側にピナはいない。どうやら先に寝てしまったようだ。
「なんだか眠れなくて・・・」
「奇遇だね、俺もだよ」
俺とシリカは散歩をしながら話をする。
「眠れないのは・・・今日の戦が焼き付いた、から?」
「・・・はい。あたし・・・あたしは・・・!」
シリカの手が、俺の視界から隠れるように震える。
「いいよ、言わなくて。・・・討ち取った・・・んだよな」
「・・・!」
ビクッ、とシリカの肩が跳ねる。
「・・・あの後、実はあたしやサチさんの方にも敵が来たんです。それで・・・」
「・・・怪我はなかったか?」
「サチさんが守ってくれて・・・でも、あたしは人を・・・この手で・・・」
「・・・その感覚と苦しみは一生かかっても消えない・・・薄くすることはできるけどね」
「どうやって、ですか?」
俺は頬を掻く。
「ちょっと恥ずかしいな・・・ええっと、大切な人と生きて・・・支え合うこと、かな」
現に俺はそうだ。明命達がいなかったら・・・とっくの昔に罪の意識で潰れてた。
「それは周泰さん達の事ですか?」
「うん、まあね・・・明命達には本当に助けられた」
「じゃあ・・・」
「ん?」
シリカが足を止めたので、俺も止まってシリカを見る。
「亮さんはあたしを・・・支えて、くれますか?」
「え・・・?・・・っ!」
今の会話の流れで気づかない程、俺は鈍い訳じゃない。シリカは、俺を・・・
「ご、ごめんなさい!変なこと言っちゃって!迷惑ですよね、いきなりあたしなんかに・・・お、お休みなさい!」
シリカが黙ってしまった俺に背を向けて走り出そうとするが・・・そうはいかない。
「珪子さん!」
俺はシリカの手を掴む。
「・・・!」
「ごめん、珪子さんの気持ちに気付かなくて。正直嬉しいよ・・・けど」
俺は息を大きく吸う。
「大澤亮としては・・・その気持ちは受けていけない・・・のかもしれない」
「・・・っ」
「俺はこの世界で生きている・・・けど珪子さんにはSAOの世界の住人・・・
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