第二話:迷子と覚悟とプリンセス
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「ぐおおおおぁぁっっ!!!」
あいつは何やら魔力の塊みたいなものを吐き出そうとしているが関係ない――切るっ!!
「うおぉぉぉぉ!!!」
雄叫びを上げながらこいつをとにかく滅多切りにするが何も食べてないせいかいまいち押しが弱い……っ!!
このままじゃ―『そんな覚悟じゃ何も守れないぞ、ルドガー!!』
―っ!!そうだ、覚悟を決めろ、俺!!!
「いくぞ!!これが、俺の覚悟だあぁぁぁ!!!」
切りつけるスピードをもっと早く、鋭く変え、そして一気に押し切る!!!
「双針乱舞っ!!!」
「ぐぎゃぁぁぁぁっっ!!??」
魔獣は断末魔の悲鳴を上げるとゆっくりとその巨体を地面に横たえ
そしてそのまま二度と起き上がることはなかった
良かった、守れた………
「ミリキャス!!?」
女の人の声、あの子のお母さんかな?それならもう大丈夫か………な……
「大丈夫ですか!?」
意識が無くなる寸前に聞いたのは紅い髪の少年の悲鳴に似た声だった
目を開けると見慣れない天井が広がっていた、そしてやけに柔らかいベッド
顔を上げて辺りを見回すとやけに豪華な装飾が目立つ
花受けに使ってある壺ですら一つ何百万とするだろう、もし割ってしまったらまた借金地獄に……
そこまで考えてブルリと体を震わす、やめよう、もう世界も違うのだし考えてもしょうがない
それに全額返金したしな!!(ここ重要)
そんなことを考えていると扉が開いて銀髪でとても綺麗なメイドさんが入ってきた
「気づかれましたか?」
この声はあの時の女の人だな、それならあの子が大丈夫か知ってるだろうな
「はい、あの…あの紅い髪の子は大丈夫ですか?」
俺がそう聞くと目を丸くするメイドさん、そしてクスリと笑った
「起きて、第一声が他人の心配ですか、ふふ随分とお人良しなんですね」
「よく、言われます……それで?」
「はい、あの子は―ミリキャスは元気ですよ、随分とあなたのことを心配しているみたいなのでよろしければ後で顔を見せてください」
そう言って優しそうにほほ笑む姿を見てやっぱりミリキャス君のお母さんなんだなと確信する
この人の髪は銀色だからきっとミリキャス君のお父さんが紅色なんだろうな
「グレイフィア!!彼が起きたのかい!?」
バーンと扉を開いて紅色のイケメンの男性が勢いよく入ってくる多分この人が―
「サーゼクス様、ご自分の立場を考えて行動して下さい」
「今はミリキャスの父親として来ているのだ、固いことは言わないでくれ」
やっぱり、ミリキャス君のお父さんだ、それにしてもメイドさんもいるし部屋も豪華だし
自分の立場とか言ってたから身分の高い人な
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