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剣の丘に花は咲く 
第十二章 妖精達の休日
第三話 お友達
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《・》はシロウが教えたのですか?」
「ああ。全員に一応八極拳を教えている」
「それにしては、皆使う技が違うようですが」

 隣に立ったセイバーが、顔を士郎に向けないまま、戦うギーシュたちに視線を向けたまま尋ねる。士郎は小さく頷くと、視線をマリコルヌ、ギムリ、レイナールと順に向けていく。

「まあ、ある程度教えた後は、それぞれ得意な一つの事を集中して鍛えたからな。マリコルヌ、あの丸っこい奴だが、あいつはそう器用じゃなくてな、突きばかり鍛えさせた。あそこ、今、騎士を地面に叩きつけた大柄な奴だが、ギムリには最近では劈掛拳を教えている。あっちの眼鏡を掛けているあいつ、レイナールには八卦掌だな」
「ヒカケン? にハッケショウ? ですか……それはハッキョクケンとやらの技かナニカなのですか?」
「いや、別物……とは言い難いか、劈掛拳は八極拳の兄弟みたいなものだし、八卦掌は八極拳を学ぶ上で必須なものの一つだしな……」

 士郎が顎に手を当てどう説明するかと頭を悩ませていると、生徒たちの間から苦悶のような声が上がった。士郎が顔を上げると、そこにはギーシュたち一人一人を、四、五人の騎士たちが取り囲む姿があった。
 当初はギーシュたちの見たこともない攻撃手段により混乱に陥っていた空中装甲騎士団(ルフトパンツァーリッター)の団員たちであったが、だてにハルケギニア最強と呼ばれるだけあって、時間が経つにつれ冷静さを取り戻すと、数の有利を利用し始めた。一対一での近接戦ならば、例え正式な騎士であっても勝つことが出来る実力を身に着けたギーシュたちであっても、流石に複数の完全武装した騎士を相手にするのは厳しく。次第に状況は硬直していった。
 
「あれは、そろそろ不味いのでは」
「ああならないよう動いていたんだが。そう簡単にやられる相手ではなかったか。まあ、ああなってもそう簡単に潰されるようなやわな鍛え方はしていないつもりだ。暫くは持つだろうが……しかし、それも時間の問題か」

 取り囲まれ、遠距離から魔法による攻撃を受けるギーシュたち。戦乙女の盾で防ぎ、素早い動きで躱しているが、次第にその動きが鈍くなっていくのが傍から見ても分かる。

「まあ、空中装甲騎士団(ルフトパンツァーリッター)の方も、そろそろ魔力切れの様子から見て、このまま押しつぶされる事はないだろうな」

 士郎の言の通り、ギーシュたちを取り囲む空中装甲騎士団(ルフトパンツァーリッター)の団員たちの中には、魔法を放つことなく肩で息をしながら忌々しげにギーシュたちを睨み付ける団員の姿があった。魔力が切れれば、近接戦に特化したギーシュたちの有利となる。数や装備の面では未だかなりの差があるが、体力だけで言うならば、ギーシュたちのそれは、日頃の訓練により正規の騎士を遥かに超えるものが有り。長期戦
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