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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 〜運命の先へ〜
第2話 「記憶の欠片」
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SHRが終了し、教室や廊下が喧騒に包まれる中、1人の男が自分の机に突っ伏していた。彼・・・織斑 一夏は痛む頭を持て余しながら自分の今の状況をただ嘆いていた。
「入学早々、災難なことだな。」
労っている割には冷淡な調子の声に顔を上げると、もう1人の男子生徒・・・神裂 零が立っていた。態度といい目つきといい、普通の人なら誰でも軽蔑されていると感じるだろうが、流石はお人好しの一夏、全く気にせず気さくに返事をする。
「はは、全くだ。えっと・・・。」
「神裂 零だ。零で良い。」
「おう、よろしくな、零。俺のことも一夏で良いぜ。」
笑顔の一夏と無表情の零。かなりの温度差を感じる自己紹介を終えた後、一夏はふと思いついたように質問をする。
「あれ?零ってさっき教室出ていかなかったか?てっきり学園内を散歩でもするのかと思ってたんだけど・・・。」
一夏の質問に零は答えず、黙って廊下の方へ視線を投げ掛けた。廊下には女子生徒の群れ。学年に関係なく2人の男子を物珍しそうに見つめながらざわついている。
「いたいた、噂の男子2人。」
「あ、今こっち見た!」
「え、嘘!?」
零と一夏の視線に女子の喧騒が大きくなる。一夏はまだしも零の視線ははっきりと嫌悪を表したものだったが、廊下の群衆には関係ないようだ。どういう形であれ、意識されること自体が重要なのだろう。
「あはは、確かにあれじゃ無理か。」
「まるで博物館だ。まったく鬱陶しい。」
口に出した通りの感情を視線に乗せても無意味なことが分かったので零は視線を一夏に戻した。が、すぐにその視線は他に移ることになった。
「ちょっと良いか?」
廊下の喧騒とは完全に距離も感じも違う声に反応して2人が振り向くと、そこには1人の女子生徒が立っていた。ポニーテールに束ねた艶やかな黒髪、日本刀のような鋭さを思わせる凛々しい佇まい、不機嫌そうな目つき。しっかりと自己紹介を聞いていた零は目の前の女子をすぐに認識した。
「篠ノ之 箒で合ってるな?神裂 零だ。零で良い。」
「篠ノ之 箒だ。私も箒で良い。」
軽い自己紹介をしながら自分の護衛対象を観察し終えた零は、姉妹でこうも違うものかと少し驚く。性格、雰囲気、口調、何を取っても正反対である。
「それで、用件は何だ?」
「その、だな・・・、一夏を、少し借りてもいいだろうか・・・?」
箒はモジモジしながら言いにくそうに返答する。事前に一夏と箒が旧友であることを把握していた零は、箒の態度からすぐに事情を察した。他人の恋路に首を突っ込むことほど野暮なことはない。零の答えは決まっていた。
「どうぞ、御随意に。」
「そうか!よし、一夏行くぞ!」
「ちょっ、箒、引っ張んなって!」
箒は一夏をグイグイと引っ張って
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