第九十九話
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「そして、漂流物の中でも最も大きな衝撃を与えるのが、水死体。異形なまでに変形した死体は人々にこの世のものではない印象を与え、最も強く副神として・・・エビスの化身としてまつられた。ここで、水死体同然の姿をしているヒルコと混同されるのは、自然な流れだ!」
「いかにも!オレが最も嫌う忌むべき姿は、オレに力を与えた!全く、皮肉なものよな!」
だが、とヒルコは続ける。
「それがどうしたのだ、神殺しよ!オレの経歴を解いたところで、俺を殺すことは出来ぬぞ!」
「ああ、俺は護堂とは違うから無理だろうな。だが、気を引くことくらいはできるんじゃないか?」
「むう?」
さて、配置につけることも出来たし。
「わが内にありしは天空の雷撃。社会を守る、秩序の一撃である!今ここに、我が身に宿れ!」
掌を前に向け、雷を放つ。
とうぜんながら、ヒルコは流動体を使って簡単に防ぐが・・・
「ぬう!?」
背後からの攻撃で、一気にドームの形がゆがむ。
「神殺し、一体何を・・・」
「俺がゼウスから簒奪した権能。この中には、ゼウスの雷を届ける役目を担うペガサスもいてな。そいつに任せたんだよ」
そう言っていると、ヒルコの背後からペガサスが駆けてくる。
駆けてきたペガサスにそのまま他の家族のサポートを命じながら、超高出力の雷を喰らったことで形がなかなか定まらないすきに三人で走る。
「小賢しい真似をしてくれたな!」
「ああ、小賢しいさ!だが、それも戦術だろう!」
「いかにも!オレも少々小賢しい手を使うとしようか!」
そうヒルコが言った瞬間に、海面を割って巨大なクジラの水死体が現れた。
クジラ。水死体の中でも、かなりトップクラスの信仰を受けた存在。
これまでの神獣とは比べ物にならない強さを誇るであろうそれを・・・空から降ってきた二人の人間が、再び海の中に押し戻した。
「今の状況は!?」
「ナーシャは助け出した。後は、ヒルコを殺すだけだ」
「うん、よかったわ。ナーシャちゃんが無事で」
俺はたった今登場した二人・・・父さんと母さんの背に触れ、芝右衛門狸の権能とゼウスの加護を流し込む。
「じゃあ、そのクジラは任せた」
「ああ、こいつは俺達が引き受けた」
「だから、三人はあっちをお願いね?」
「おう!」
「「はい!」」
そして、そのままクジラを二人に任せて走る。
あと、少し・・・!
「っ、武双!」
「悪いアテ、任せた!」
と、そのタイミングでクジラと同じくらいの信仰を受けていた水死体、サメの水死体の神獣が現れた。
完全に肉食の相手。それをアテに任せ、俺とナーシャはサメを踏み台にして飛びあがり・・・そこで、大量の神獣が現れた。
「これでどうだ、神殺
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