第九十九話
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てられることで海へと深いかかわりを持つようになった神だ」
「よいのか、神殺し。オマエの家族がオレの神獣と戦っているぞ?」
「なめんなよ。うちの家族が、お前の神獣程度にやられるわけねえだろ」
事実、皆は神獣を複数相手にしながらも圧倒している。
加護の力もあるだろうけど、元々才能がある人の集まり。
数を出している神獣相手に、そこまでの苦戦をする要素はない。
「・・・そして、海に関わりの深い神であるお前は、ある二柱の海の神の信仰を取り入れた。その一柱は、コトシロヌシ。託宣の神であり、海で釣りをしている姿で親しまれた存在だ」
とはいえ、この神とのつながりはとても薄い。
ただ海にいる、というだけで同一視されてしまったのだから。
だが・・・
「狂乱せよ!」
「唸れ、ウコンバサラ!」
と、そのタイミングで攻撃されていたが、アテとナーシャの二人が全て撃ち落としてくれる。
「そして、もう一柱の神はコトシロヌシよりもつながりの深い神だ。その名はエビス。七福神の一つにも数えられる神だ。俺達に対して放たれた不運は、この権能だな?」
「うむ、我が名の一つより得られた権能である!」
うん、予想通りだった。
そして、なぜ幸運を司る神が相手に不幸を与えることができているのか。
「幸運を司る者は、同時に不幸を司る。幸運と不幸の絶対量が決まっているという考えからできたもの。日本にも様々な形で存在する考えだ」
「そう、オレはその力で不幸を与えたのだ!」
「そして、それはビアンカが俺たちに与えてくれる幸運でかき消された。運勢に対抗できるのは運勢だけだからな」
日本において幸運を司る者が同時に不幸を司る例として一番有名なものは、座敷童子だろう。
座敷童子。これは日本でもかなり有名な妖怪で、家の守護霊的存在であり、その姿を見れたなら幸運が待っているという。
だがしかし、この妖怪は同時に貧乏神の化身、死神の化身としての属性も持つ。
このように、幸運を与える存在は同時に不幸を与える存在ともなるのだ。
「だからこそ、お前は俺達に不幸を与えることができた。では、なぜヒルコはエビスと深いつながりを持つようになったのか。それは、エビスという神の信仰にある」
そう言っている間も、二人が俺を守護する。
悪いとは思うけど、それでも必要なので頑張ってもらおう。
「そもそも、エビスの信仰は日本の沿岸部で、未知の彼方からやってきた漂流物を祀ることで生まれた信仰だ。福神漬け、これが元々は浜辺で拾い集めた様々な具材をまとめて漬け込んだものであったことからも、漂流物が福の神としての信仰を受けていたことは明らか」
と、そこで久しぶりに俺は槍を振るい、飛んできた流動体の矢を打ち落とす。
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