第三話
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を撫でると、言った。
「ほー、シーラは片手剣でユウは短剣選んだのか。オレも決めてたのがあったけどよ、こう、実物見てみると、なんか揺らいできちまうな。オススメとかあンのかな……あ、そういや聞いてなかったよな。キリトはどうすんだ?武器」
「ん?ああ、俺はな――」
「どうせベータと同じ片手剣でしょ。盾なしの。ていうか、前から聞きたかったけど、なんで盾持たないの?なんか理由があったりする?」
クラインの質問に答えようとしたキリトを遮って、シーラが呆れたという風に首を振った。途端、キリトの顔が少しばかり赤みを帯びてきたように見えたのは気のせいだろうか。
「なっ……別にいいだろ、持たないのが俺のスタイルなんだよ。大体、盾なしって言うならお前のもそうだろ、シーラ」
そういえば、確かにシーラはあの店で盾を買っていない。この世界では盾は武器に分類されるらしく、先の武器屋にも盾は置いてあったはずだが――もしや買い忘れてしまっていたのだろうか。
などとそう思ったが、次の瞬間、それはすぐに否定された。
「キリトと違ってあたしにはちゃんとした理由があるんだよ。それにスタイルって言うけど、あたしは盾持ってた方がかっこいいと思うよ?ザ・勇者って感じで」
スタイルの意味が違うような気もしたが、キリトが突っ込まなかったのでスルーする。
故意か偶然か、または必然かはわからないが、シーラの発した会心のボケによりキリトもこれ以上反論する気を失ったのかぐぬぬと唸ると、ため息一つの後、なぜか同情の眼差しを俺に向け、アイルビーバックもとい、グッジョブのジェスチャーを見せつけてきた。
その真意は不明だが、なんだかバカにされたような気がして、俺はジト目の睨みで返事を返す。するとキリトはびびったのか否か、すぐに踵を返すと例の武器屋へ歩いて行った。
あまり深く考えるのはよそうと思考の削除を行っていると、眼前のずり下がったバンダナをくいっと持ち上げたクラインが、キリトに視線を向けたまま、言った。
「あー、そんじゃ、オレもちょっくら悩んでくるわ。ユウ、シーラ、じゃ、またな」
俺たちに手を振り、クラインがキリトの後を追って走り出す。
その背中をまたも手を振りかえして見送っていると、それにより何かがほどけたのか、俺は、先ほどから胸の中に留めていた一つの疑問、探究心に負け、いつの間にかシーラにこう尋ねていた。
「……なあ、シーラとキリトって、フレンドだったんだよな?ほんとに仲良かったのか?」
「んー?仲は良い方だと思うし、正真正銘フレンドだったよ?それがどうかした?」
「……いや、なんでもない」
以前少し遊んでいたMMOとこっちのフレンドというものに対して違和感を覚えた俺だったが、VRMMOというのはこういう
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