第二十三話 再会
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きりとし始める。
ルインの瞳に光が宿り、ゆっくりと起きはじめる。
身体を動かすのは本当に数年ぶりだ。
関節がところどころぎこちなさを感じる。
現世に戻ったことで徐々に抜け落ちていく前世の記憶。
前世の記憶の大半が抜け落ちたことでルインはようやくライトの方を見遣る。
ルイン「しばらくはリハビリかなぁ。ありがとうございますライト博士。」
自身の身体を完全に修復してくれた博士に満面の笑みを浮かべて礼を言うと、博士も微笑んだ。
ライト「君の仕組みを女神殿から聞いていたから出来たことじゃ…ルイン、エックスのことを頼んだ」
ルイン「はい…」
そう言うとライト博士は消えてしまった。
[ミ…ミミ…]
ルイン「あ、お腹空いたの?何処かにエネルゲン水晶無いかな?」
ふと隣を見遣ると、恐らく見舞いの品であろうエネルゲン水晶がいくつか置かれていた。
ルインはエネルゲン水晶を1つ取るとサイバーエルフに与える。
サイバーエルフはエネルゲン水晶を嬉しそうに頬張る。
ルインはサイバーエルフに頬擦りする。
そして任務を終えたエックスとゼロはケイン博士と共にルインが眠っている部屋に向かう。
ケイン「すまんのう…わしも手を尽くしたんじゃが…解析出来ない部分が多すぎて今の技術ではどうすることも出来ん…」
エックス「いいんですよ博士。俺達レプリロイドには時間は沢山あるんですから」
ゼロ「あいつが目覚めるまで気長に待つさ」
ルインの部屋の前に立った瞬間であった。
部屋から歌声が響いてきた。
人間のケイン博士には聞こえないようだが、レプリロイドの優れた聴覚が無ければ聞き取れないくらい小さい。
歌からして子守歌のようだが…。
普通のレプリロイドは歌を歌うことは出来ない。
例外は…。
エックスの手が震える。
恐る恐る、扉を開くと…。
小さな生き物を撫でながら子守歌を歌うルインの姿。
目を見開くエックス達の存在に気づくと満面の笑顔で彼等を迎えた。
ルイン「エックス、ゼロ、ケイン博士。おはよう」
エックス「ルイン…」
ケイン「そんな馬鹿な…まだ目覚めるはずが…」
ルインの状態を誰よりも知っていたケイン博士の呟きが聞こえていないのか、エックスはルインに歩み寄る。
エックス「本当にルイン…なのか…?」
ルイン「そうだよ。ただいまエックス。随分と寝坊しちゃった。」
エックス「っ…よかった。本当によかった…!!」
感極まったエックスはルインを強く抱き締めた。
彼女の動力炉の活動音が聞こえる。
彼女はここに戻ってきてくれたのだ
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