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DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第二話
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転し、仮想世界にダイブする時だけハクガが出てきていたという。一か月前の敗北後、ハクガの精神は元の肉体に戻り、数年間寝たきりだった彼の肉体は意識を取り戻したという。

「わかった。案内お願いね」
「分かりました」


 ***


「どうだ、ハザード。この世界のアバターには慣れたか?」
「ああ、なんとなく」

 リーリュウに問われたハザードは、彼に頷き返す。

 ハザードに与えられたのは、第三位階Lv40のアバター。属性は闇・火・風の三重属性。武器は大ぶりの刀身をもつ大剣で、名称は《カラドボルグ》。能力は攻撃力および攻撃範囲の強化、という事だった。
 《ギア》はもはやおなじみとなった相棒の《ザ・バーニングバーン・ドラゴン》の《レノン》。今は小型化した状態で肩の上に泊っている。

 大まかな説明をしたリーリュウが言う。

「とにかく急ごう。今いるのは西の出発点だ。次に行くべきはギルド都市だな。西部劇風の街で、そこそこ規模が大きい。そこで準備を整えて、合流点の中央都市に急ぐぞ」
「分かった。……ソードスキルが使える、とは聞いたが、ユニークスキルの専用ソードスキルはどうなんだ?」
「……小波さんの話によると、最初は使用ができなかったらしい。だが、前回の敗北以後、使用が可能になったという報告を受けている。……もっとも、俺達は使用できていないから、多分SAO時代にそれを使っていたプレイヤーでないと使えないのではないかとのことだった」
「そうか」

 彼の言葉にうなずくと、ハザードとリーリュウはその《ギルド都市》へ向けて出発した。


 ***


「……こっちです、お兄様」
「ん、わかった」

 目を閉じた刹那が、彼方を指さす。北東のダイブポイントからダイブしたシャノンと刹那を待っていたのは、奇妙な既知感。特に刹那はそれが顕著で、先ほどから何度もこうして、ナビゲーターの様な事をやっている。

 シャノンは、この世界が何なのか、薄々感づいていた。

 恐らくは、刹那の故郷だ。彼女はもともと人間ではない。誰かに創られた『空想の存在』が質量をもった者。今はシャノン/陰斗の空想によって上書きされているが、もともとは別の誰かの空想だったはずだ。

 恐らく、この世界を支配する者が、その『誰か』なのだ。そして、この先に進めば、シャノン自身も何か恐るべきことに遭遇するであろうという予感がした。だが、それを恐れていてはいけないだろう。

「……僕は、《変わらない》以前の僕とは違うのだから」

 陰りを振り払うと、シャノンは妹の指示に従って歩き始めた。
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