バカにバカって言われより、バカに大丈夫?って聞かれたほうが精神的に効くよね
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「ーーと、言うわけなのよ」
事の発端からなにからなにまで説明し終えると、桂はまだほんのり湯気が立っているコーヒーを口にする。
「こっちとしては同じクラスメイトの誼みもあって大事にはしたくないんだけどね……」
元凶の本人があれじゃね……。とおれを哀れむような目で見てきやがった。
「おい、あれってなんだよ、あれって」
「そのまんまの意味よ」
「いや、だから誤解だっていってんだろ!花火はしたけど泥棒はしてねえって!仮に泥棒すんだったらそんな少しの金なんかとらねーよ、銀行行くわ、銀行」
「いや、その発言もどうかと思うのだが……」
花菱の言葉に、優太くんなら本当にしちゃいそうだもんねぇ、あはは……、と瀬川までもが続いて哀れまれる。
「てか、この学校なら防犯カメラの100個や200個くらいあるだろ」
「100はあっても、さすがに200はないんじゃないか?」
「そうか?この敷地でこの無駄に金かけてる感じなら200なんてザラに思えるけどな」
で、どうなの?と桂に話を振るが。
「防犯カメラに写ってないのよ、それが。だからあなたに容疑がかかってるんじゃない」
「ああ、納得」
防犯カメラに写ってないのかぁ。なるほどなるほど、それは困ったな。防犯カメラに写らないほどの凄腕の泥棒かーー。
「ーーって、それっておかしくねえか?」
すごい違和感のある桂の発言におれは感情を抑えきれずに言葉を発した。
「まあ、確かにな。防犯カメラにその泥棒とやらが写ってないのなら、唯一写っている優太くんが犯人扱いされるのは言わずもがなだな」
「いや、それがね。これもまた不思議なことに優太くんも写ってないのよ」
「おい、桂。おれは優人だ。おまえまでこいつらに感化されんな」
ああ、ごめんなさい。と少しの頬を朱色に染めて一言。
桂のことだから、本当に間違えたんだろうな。こいつは人の容姿や名前をバカにしたりはしないやつだ。ったく、普段からこれだけ素直だったらどれだけ楽か。
「そんなの簡単じゃん」
不思議よね〜、桂と花菱の話を遮ったのは、バカが代名詞の瀬川であった。
「……おい、瀬川。熱でもあんのか?」
瀬川の唐突な発言におれは本当に心から心配になり熱を図るためにデコに手を当てた。
「ふぇ!?な、なにをするのかな、優太くん」
「え?いや、だってバカが代名詞のおまえがそんなわけわからんことをいうから、心配してやったんだよ。ほら、しかも顔赤いし」
「わわわわッ!?熱もないし、バカじゃないから大丈夫だよぉ!」
瀬川はそう言うと両手でおれの手を払い除ける。が、その顔はさっきより朱色に染まっている。
「なんだよ、せっかく人が心配してあげてんのに
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