第四章
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り悲しさもあった。閻魔にしては珍しい表情であると言えるものであった。
「自殺してはそれで終わりじゃ」
「ええ、確かに」
「その通りです」
これは言うまでもないことであった。
「それは何にもならん。しかし生きていればまたいいこともあるものじゃ」
「人間の世の中。そうしたものですね」
「ではあの者も」
「そうじゃ」
ここで閻魔はまた鏡の中にいる小早川を見た。
「もう自殺なぞ考えはすまい」
今度は温かい顔になっていた。これまた閻魔にとっては珍しい表情であったがそれでも実にいい顔であった。その顔で小早川を見守っているのであった。
自殺の後 完
2009・7・25
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