合宿編
二十一話
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きゅん、悪い事は何時かはバレてまうもんや。てか、警防署の計らいで罰則が無かっただけでも良しとしとこ?』
「ぐぎぎぎぎぎ」
フェルヴィスが手を回したのか、罰則は無かった。そして、これを期に法というものを覚え、明らかに不味い物事には手を出さなくなった。
確かに良い事なのだろうが、ソレはソレ、コレはコレ。子供と侮った相手を下し、手に入れる金と快感は美味だった。美味しいモノを手放す破目に成った喪失感は絶大だったのだ。今では悪い事だと解かっているが、やりきれない思いがある。
「八神司令、とりあえずアレきゅんの諸事情は置いといて。デバイスの事なんですけど……」
『うん、そやね。え〜と、公式魔法戦用のデバイスでいいんやった?』
「はい、どんなタイプが良いかは本人に……アインハルト」
「え? あ、はい!」
歯軋りするアレクを尻目に、ルーテシアはここらで本題に戻そうとデバイスの話に斬り出し、アレクを呆れた視線で見るアインハルトを呼び戻した。
『どんなのがええの? なんでも相談に乗るよ』
「あの……その、格闘戦技だけで挑みたいので……」
『覇王流を受け継いだ格闘家さんやもんな。そーなると、どーゆうのがええかなぁ』
「……ですから、クリスさんのような補助・制御型が望ましいと」
『なるほどなー。ほんなら、クリスをベースにアインハルトに合わせた形で組み上げてみよか』
クリスの製造はマリエルが行ったので、基本設定はすぐに手に入れられる。それに真正古代ベルカのシステムは馴染みがあるので然したる問題無い。機体自体もすぐに組み上げられるだろう。
はやてはアインハルトの要望を聞きながら隣に居るリインとアギトに見配りすると、グッと親指を立てた。
『アインハルトのタイプは分かったから、次はアレきゅんやな。アレきゅんも格闘家さんやし、同じがええ? 確か受け継いだ流派は……覇神拳やったか?』
「俺はパス。あと覇神拳じゃなくて覇皇拳と機神拳」
『ごめんごめん。でもデバイスないとインターミドルに出れんよ? 腕試ししたくないん?』
「周りが言ってるだけで俺は出る気無いでーす。腕試しとか興味ありませーん」
次はアレクのデバイス……といこうとしたが、アレクは不貞腐れていた。態度は兎に角、どうでもいいような口ぶりなので、インターミドル自体にも興味が無いのだろう。
だが、フェイトから力に成るようメールを受けているし、ティアナ達からのメールでまだ見解が狭い子だと知っている。それに、アレクとはまた巡り合った縁もあるので、助力は惜しまない積もりだ。
その為にも先ず、どうやってやる気にさせるかだが……はやてには考えるまでもない。既にカードは手元にあるので、迷わず切った。
『アレきゅん、インターミドルの上位入賞者には賞金も出るで』
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