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第四十三話 相互意識干渉
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り注ぐ。
警戒はしていた、何かが出てくるであろうことも予測していた。
それでも現れた物体が放った光は全て僕を狙う……その射線上にいる二人ごと。常時であれば避けられるものだったけど、そうなると確実に織斑君と箒さんに当たる。
『あぁっ!』
回避という選択肢を失った僕は、全ての攻撃をこの身で受けるしかなかった。
『ぐ、逃げ……て』
銀の福音からの攻撃で限界が近かったエネルギーで耐えきれるものではなく、凄まじい衝撃と共に絶対防御が発動したのが感じられた。
『ふん、だがどうやら貴様も同類だったらしいな』
そんな、どこか見下したような声が聞こえたのを最後に、僕の意識は闇へと沈んでいった。
◇
『西園寺さぁん!』
糸が切れた人形のように、ただ海へと落ちていく紫苑に対して一夏が叫ぶ。
既に意識を失っている箒を抱えているがために急激な動作はできないが、それでも彼は紫苑を助けるべく動こうとする。
が、謎の乱入者はそれすらも許さなかった。先ほど紫苑を襲った光が一夏の進路を遮るように放たれた。気が付けばすでに彼の周りは光の発信源である蒼い小型の物体が取り囲んでいる。
『く、これ……は。まさかブルーティアーズ!? なんで、だれがこんなことを!』
彼らを窮地に陥れたその物体は、彼がかつて戦ったセシリア・オルコットが操るブルー・ティアーズ……この場合は同名の機体に搭載されているビット兵器のことであるが、それに酷似していた。
『ふん、こちらの予定が狂わされるのは不愉快だが目標が自分から飛び込んできたのだから我慢するか。銀の福音が動かなくなったのが気になるが……まぁいい。その女の機体は新型だな? ちょうどいい、貴様の白式とあわせていただいていくぞ』
その声の主は一夏の叫びなどまったく意に介さず、ただ自分で確認するかのように一人呟き宣言する。その内容は傲岸にして不遜。だが一夏はどこかその声に聞き覚えがあった。しかしこの状況でそれが誰かを考える余裕はなく、いかにして紫苑を助け出しさらにこの場をどう凌ぐか、必死に思考を巡らせていた。
『お前が……銀の福音を暴走させたのか?』
このまま戦えばエネルギーが尽き、かろうじて浮力を捻出している状態では勝ち目がないことを理解した一夏は、会話で少しでも時間を稼ぐことにした。そうすれば、もしかしたら異常を察知した姉が援軍を送ってくれるかもしれない。
陸にいるであろう仲間や姉を危険に晒しかねないことは、彼にとって耐えがたいことではあったがそれ以上に目の前で箒や紫苑が死ぬのを見過ごすことはできない。ましてや、それが自分の判断ミスが招いたものであったならなおさらだ。
『……まぁいい。銀の福音は私の管轄ではない。これは奴
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