暁 〜小説投稿サイト〜
リメイク版FF3・短編集
暗闇に眠れ
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捜しに出てみると、微かにブンブン音がしてくる。町の北側から……??

近くに民家のない開けた場所で、月明かりの元あいつは"すっぴん"姿で剣を手に素振りしてた。

 さすが城の兵士、真面目だなぁ。しかも、おれでも分かるくらいすげぇいい動き………

少しの間、木立の陰から見とれてたけど、ふとある事を思い付く。

黒魔道師にジョブチェーンジっと。カナーンに来て買っておいたこの黒魔法で ─────


「 <ブライン>!!」


「 ゔッ ……?!」


 よっしゃ、一発成功! あいつ、片手で目押さえて動き止まった。ほとんど何も見えなくなったはずだ……!

「や〜い、モンスターじゃなくて"おれ"の仕業だよ〜ん! 暗闇状態治したかったら、おれが持ってる[目薬]奪ってみろーいっ!」


「 ─────── 」


 あれ? 思ったような反応がない。てっきり怒って、目見えなくてもおれの事手探りで捕まえようとすると思ったら………

片手で目押さえたまま全然動かない。おっかしいなぁ??


「お、おーい、どうした〜? おれならここだぞー、目の前に……」

「 ─────!」


 うわっ、近づくんじゃなかった、ダマされた……?!

目押さえてた手をパッと放した片腕に、がっちり首回りを捕らえられちまった!

その勢いで、とんがり帽子外れたっ。

ち、力強っ……、離れらんないぃ……っっ


「 ────寄越せ、目薬 」

 み、耳元での低い声に、背筋がぞくっとする。

やっぱ、怒ってる?


「し、絞め殺す気か……!? く、苦しっ……わかった、渡すから、目薬っっ」

「 ────── 」

 イングズが剣を一旦手放した片手に、手探りで何とか渡した。

そしたらイングズは、おれを解放した。

おれは思わず、屈んで喘いだ。


「 ………よくも人の日課を邪魔してくれたな、それなりの罰を受けて貰おうか」


 へ? バツって─────

は……れ…? なんか、きゅうに、ねむ…く……

すっぴんでもつかえる、"すりぷる"、か……??


( ────そのままそこで、眠ってろ──── )


 遠のくイングズの冷たい声と、おれの意識………





(い、いい加減放してくれよ、その腕から……!? 苦し…っ、悪かったよ……あやまるからぁ)

(既に遅い────このまま私の腕の中で、果てろ)

( むぎゅうぅ〜〜っっ )



「 枕にそのまま俯していると、窒息するぞ」


「 ────むはっ?! あれ、いつの間におれ、ベッドに……??」

「なかなか起きて来ないお前を呼びに来た。
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