暗闇に眠れ
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捜しに出てみると、微かにブンブン音がしてくる。町の北側から……??
近くに民家のない開けた場所で、月明かりの元あいつは"すっぴん"姿で剣を手に素振りしてた。
さすが城の兵士、真面目だなぁ。しかも、おれでも分かるくらいすげぇいい動き………
少しの間、木立の陰から見とれてたけど、ふとある事を思い付く。
黒魔道師にジョブチェーンジっと。カナーンに来て買っておいたこの黒魔法で ─────
「 <ブライン>!!」
「 ゔッ ……?!」
よっしゃ、一発成功! あいつ、片手で目押さえて動き止まった。ほとんど何も見えなくなったはずだ……!
「や〜い、モンスターじゃなくて"おれ"の仕業だよ〜ん! 暗闇状態治したかったら、おれが持ってる[目薬]奪ってみろーいっ!」
「 ─────── 」
あれ? 思ったような反応がない。てっきり怒って、目見えなくてもおれの事手探りで捕まえようとすると思ったら………
片手で目押さえたまま全然動かない。おっかしいなぁ??
「お、おーい、どうした〜? おれならここだぞー、目の前に……」
「 ─────!」
うわっ、近づくんじゃなかった、ダマされた……?!
目押さえてた手をパッと放した片腕に、がっちり首回りを捕らえられちまった!
その勢いで、とんがり帽子外れたっ。
ち、力強っ……、離れらんないぃ……っっ
「 ────寄越せ、目薬 」
み、耳元での低い声に、背筋がぞくっとする。
やっぱ、怒ってる?
「し、絞め殺す気か……!? く、苦しっ……わかった、渡すから、目薬っっ」
「 ────── 」
イングズが剣を一旦手放した片手に、手探りで何とか渡した。
そしたらイングズは、おれを解放した。
おれは思わず、屈んで喘いだ。
「 ………よくも人の日課を邪魔してくれたな、それなりの罰を受けて貰おうか」
へ? バツって─────
は……れ…? なんか、きゅうに、ねむ…く……
すっぴんでもつかえる、"すりぷる"、か……??
( ────そのままそこで、眠ってろ──── )
遠のくイングズの冷たい声と、おれの意識………
(い、いい加減放してくれよ、その腕から……!? 苦し…っ、悪かったよ……あやまるからぁ)
(既に遅い────このまま私の腕の中で、果てろ)
( むぎゅうぅ〜〜っっ )
「 枕にそのまま俯していると、窒息するぞ」
「 ────むはっ?! あれ、いつの間におれ、ベッドに……??」
「なかなか起きて来ないお前を呼びに来た。
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