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ウィザード外伝-仮面ライダーサマナー-〜指輪の召喚師〜
怒りの召喚
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阻止しなければ…銀嶺は指輪を取り出して一匹のプラモンスターを放った。

第六天魔市・黒縄(こくじょう)市民公園

「はっ…はっ…はぁっ…はぁっ…!!」

どれだけ必死に逃げただろうか?激しく息切れしながら鈴鳴は体力が完全に尽きた様子でその場に座り込む…。

「…どうしよう…」

同時に鈴鳴は自分が先程銀嶺にしでかした事…盲目なため、何かまでは解らないものの鈍器の類で殴った挙げ句、ロッキーがまた噛みついた。申し訳なさと後悔が後から押し寄せてきたのだ。

(でも、あの人…ひどい…ひどい…!結局周りの人と変わらない…!)

しかしその気持ちもすぐさま鈴鳴の中から消え去ってしまった。いくら命を救ってくれた恩人だろうと、ゲートか否かなどと如何なる理由があろうが、鈴鳴にとって生まれてからこの先、一生涯…何も映ることのないこの目を覗き込むという銀嶺の犯した大罪(こうどう)が大変不快だったのだ。

これは彼女自身、実際に何度も経験したことだが、目に関して最初から完全に諦めてるにも関わらず『きっと治す』『治るかもしれないから』と無神経な医者が何度も目を無理矢理こじ開けて診察してきた。両親もまた治るはずのないと解っているのにもしもという可能性にすがりつくかのように望みを乗せた視線を向けてきた。そして街を歩く度に時折向けられるなんの苦労も無く生きてられる健常者という名の人種達の眼・眼・眼…

以来、鈴鳴は自分の目を興味本位で覗かれる事に激しい拒否反応を示す様になってしまい、結果…真に心を許せる相手が人間以外の存在(ロッキー)だけになってしまったのだ。

(この先ずっと…ずっと…私の味方はロッキーだけ…)

『わううーん』

鈴鳴はすぐそばにいるロッキーを抱きしめながら、ただでさえ閉ざしていた心をますます堅く閉ざしてしまった…

その時、地面にサメの背鰭の様なものが浮かび上がり、地面をまるで水面の様に音も無く軽快に移動していき…

『ギジャアアァアアアアアアアア!!』

『ギャイイイイン!!?』



『絶望』が『希望』を喰らった瞬間であった



「え…?あ…え…?」

彼女の耳に聴こえたのはつい先程抱きしめていたはずのかけがえのないたった一匹の希望(ともだち)のただならぬ悲鳴…。

『ギヒャヒャヒャヒャ!このクソカスがァッ!さっきはよくも舐めたマネしてくれたなぁ!?おおコラ、テメェ!!』

絶望の使者…ファントム・マカラは地面を『泳ぎ』ながら銀嶺(サマナー)を捜索していたところ、自分に歯向かってきたムカつく馬鹿犬(ロッキー)と喰らい損ねた人間(鈴鳴)を偶然見かけ、サマナーにやられた分とカラドリウスやフンババからの制裁の分の鬱憤を晴らすべく、地面から飛び出してロッキーの背中を食い千切ってやった
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