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異伝 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(ヴァレンシュタイン伝)
異聞 第四次ティアマト会戦(その1)
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強の艦隊が……。涙が出そうだ。でもメガネっ娘……、ちょっと楽しみかもしれない……。いかん、悪い病気がうつったみたいだ。



帝国暦 486年 8月25日   イゼルローン要塞  第三十九会議室  オスカー・フォン・ロイエンタール



第三十九会議室、ミューゼル艦隊の士官に宛がわれた部屋の一つだ。この部屋にはささやかながら戦術シミュレーションの設備が有る。俺、ミッターマイヤー、ビッテンフェルト、そしてお天気女の四人がこの部屋に居た。

本来なら士官クラブで過ごすべきなのだろうがあそこは門閥貴族出身の士官達の溜まり場だ。俺達にとって居やすい場所ではない。特にコルプト大尉を殺したミッターマイヤーにとっては居辛い事このうえ無しだろう。そしてお天気女は女性だ。見知らぬ男性士官の中に女性一人では居辛いのだろう。常に俺達と一緒にこの部屋にいる。

「突出したはいいが見殺しされたのでは堪らんな」
シミュレーションマシンを操作しながらミッターマイヤーが口を開いた。それを聞いてトサカ頭が後に続いた。
「後方から、前方に展開する邪魔な味方ごと敵を撃つ。このイゼルローンでは味方殺しは珍しい事じゃない」

「俺達は二重の意味で貴族達に恨まれている。提督自身、それと……」
「俺か……」
「今じゃ俺達だ。ロイエンタールも俺も首まで漬かっている」
ビッテンフェルトの言葉に皆が顔を見合わせた。お天気女も憂鬱そうな表情をしていた。

ドアが開いて一人の士官が姿を見せた。傲慢そうな表情の男だ。何処かで見たことが有る様な気がする、しかし初対面のはずだが……。
「ミッターマイヤー提督に一言伝えたい事がある。コルプト子爵だ、聞いたことが有るだろうが……」

皆が顔を見合わせた。そしてコルプト子爵に視線を向けた。なるほど、初対面のはずだ、しかし記憶に有るのも当然か。写真で見たのだ、それで覚えていた。年恰好からすると兄か……。一人頷いているとコルプト子爵が話し始めた……。



帝国暦 486年 8月25日   イゼルローン要塞  ラインハルト・フォン・ミューゼル



部屋でキルヒアイスと話をしていると外から女性の悲鳴が聞こえた。聞き間違い? キルヒアイスの顔を見た、キルヒアイスも俺を見ている。聞き間違いじゃない、そう思った時また女性の悲鳴が上がった。ここにいる女性と言えばヴァレンシュタイン少佐だけだ。少佐の悲鳴? 彼女に何か有った?

慌てて外に出ると人が集まっている場所が有った。第三十九会議室、ミューゼル艦隊の士官に割り当てられた部屋だ、あそこだ。部屋に向かって走ると今度は女性の泣き声が聞こえた。キルヒアイスと二人で集まっている人間を掻き分ける。中に入ると蹲って泣いている少佐を抱きしめている男がいた。

「フレーゲル男爵!
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