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異伝 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(ヴァレンシュタイン伝)
異聞 第四次ティアマト会戦(その1)
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キルヒアイス中佐だけだったろう、お寒い限りだ。

「今度はブルマーか、男の欲望全開だな」
「ロングブーツと鞭よりはましですよ。ヒールで踏まれたいとか何を考えているのか……」
「だんだん酷くなるな、こっちはガーターベルトをと書いてある。うちの艦隊、大丈夫か?」

もはや何も言うまい……。

……人事部長のハウプト中将はヴァレンシュタイン少佐の依頼に快く応じてくれた。ロルフ・オットー・ブラウヒッチ大尉、なかなかの人材らしい。彼が配属されたおかげでメックリンガー准将の仕事もかなり改善された。准将は大いに喜んでいる。余程嬉しかったのだろう、彼はヴァレンシュタイン少佐だけでなく俺にまで礼を言ってきた。

……俺は准将のようなインテリタイプはどちらかと言えば苦手なのだがその一件以来彼とは親しくしている。よく一緒にヴァレンシュタイン少佐のケーキを食べるのだが口髭をはやした彼がケーキを美味しそうに食べるのは見ていて楽しい。微笑ましくなる。それに彼は優れた戦略家で色々と勉強にもなる。

「エプロン姿か……。スイーツを作ってくれと書いてある」
「料理か……、悪くないな」
「手作りのスイーツを司令部だけで食べているのは狡いと書いてありますよ。確かに一理ある」

「……これで行くか?」
「そうですね、悪くないと思います。それなりに時間を稼げますし少佐もケーキ作りなら負担に感じずに済むでしょう」
「小官も同意します」

どうやら話しが終わったようだ。グレーブナー、オイゲン、ディルクセンの三人が俺を見ている。
「閣下」
「何だ、グレーブナー」
「例の兵士達からの要望ですが」
「決まったのか」

兵士達からの要望……、俺の艦隊の兵士達が司令部に要望を出してきた。ヴァレンシュタイン少佐の朝の挨拶だが、時間が短い、他にも何かさせろと言うものだった。そこで兵士達から要望を取ったのだが……。

グレーブナーもオイゲンもディルクセンも日常業務よりもこっちに夢中になった。俺がそれを咎めても“兵の士気を保つため”と言われればそれ以上は口を噤まざるを得ない。俺に出来るのは連中の変な病気が俺にうつらないように近づかない事だけだ。

「ヴァレンシュタイン少佐にケーキを作ってもらおうと思います」
「……そうか」
何故メガネを選ばない……。

「朝の挨拶の時間帯を伸ばして二時間程度の特番として放送します」
「……そうか」
メガネ……。
「宜しいでしょうか」

さてどうする? ここはさりげなく、さりげなくだ。
「あー、ヴァレンシュタイン少佐の同意を得る事無しではいかんぞ、グレーブナー。それと無理強いはいかん」
「分かっております」

「それとどうせならメガネでもかけさせてはどうだ、喜ぶ奴もいるだろう」
「確かに」
俺の宇宙最
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