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剣の丘に花は咲く 
第十二章 妖精達の休日
第二話 騎士へと至る道
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「「……………………はぁッ!!?」」」」

 一瞬呆けた顔を見せたギーシュたちだったが、直ぐに正気に戻ると士郎に詰め寄っていく。

「ちょ、ちょっと待ってくれよ隊長! そ、それは本当かい!?」
「にゅ、入団テストを合格したじゃないか!」
「い、一体どういうことですか!?」

 詰め寄ってくるギーシュたちを、士郎は、まあまあと手を上下に揺らして落ち着かせた。

「まあ、一言で言えば実力不足だな。最低限身を守れる程の力がなくちゃ話にならんだろ。だからある程度の実力が身につくまで正式な入団は待っていたんだ」
「う、そ、それを言われると……」

 自分たちの実力の程を知っているギーシュたちは、最初の勢いをあっと言う間に萎ませると、肩を落として顔を俯かせた。

「だが、まあ最近は最低限の力は付けてきたなと考えていてな」
「え!」
「そ、それじゃあ」

 喜色の色を浮かべて顔を上げるギーシュたちに満面の笑顔で頷いた士郎は、すっと手を伸ばしギーシュたちの背後に並ぶ一団を指差した。

「だからアレと戦ってこい」
「「「「…………なぜ?」」」」

 肩越しに背後を振り返り、自分たちの様子を戸惑った顔で見ている空中装甲騎士団(ルフトパンツァーリッター)を視界に納めて顔を戻したギーシュたちが、揃って首を傾げてみせた。


「これが本当の最終テストだ。お前たちの戦いぶりを見て合格か不合格を判断する。今までの鍛錬を無駄にするかしないかはお前たち次第だぞ」
「そ、それは……」
「で、でも、あ、相手はあの……」

 ギーシュたちが戸惑ったように背後の空中装甲騎士団(ルフトパンツァーリッター)を何度も見返しては互いに顔を見合わせる。ギーシュたちが逡巡していると、件の空中装甲騎士団(ルフトパンツァーリッター)の背後に控えていたクルデンホルフのお姫さまが苛立ち混じりの声を上げた。

「ちょっと、さっきから黙って聞いていれば何を勝手な事を言っているのよ! ギーシュ殿っ! あなたもそこで何をしていらっしゃるの!? こんな事をあなたのお父上が知れば何をおっしゃるか!?」

 ベアトリスの声にギーシュの身体がびくりと震え、助けを求めるようオドオドと辺りを見回した。しかし、視線を合う人合う人誰もが顔を逸らしてしまう。
 ギーシュだけでなく、ギムリやマリコルヌたちもクルデンホルフ大公国に実家が借金でもしているのか、見る間にやる気が萎んでいく様子が傍から見ても分かった。 
 その様子を見ていた士郎は、内心で小さく溜め息を吐くと、仕方がないかと目を一度瞑り、一歩前へと足を踏み出そうと、

「―――待ってください!」

 その直前、セイバーの背後にいたティファニアが前に飛び出して来た。

「もうやめてくださいっ! ベアト
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