第三章 悪夢
第11話 次なる試練
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時刻は9時10分……一時限目の授業が始まっているだろう時間に、来禅高校の屋上には狂三がいた。
狂三「もう少し、士道さんとの学校生活を楽しんでもよかったのですけれど……」
そして、狂三の通った場所が薄暗くなっていった。
そう……まるで、狂三の軌跡から、影が消えないように。
狂三「そろそろ、潮時ですわね」
上条「ん……?」
一時限の授業中、何か違和感を覚えた。
しかし、窓の外を見るが特に何もない。
上条「(気のせいか……)」
上条はそう結論付けて、授業を聞いていた。
放課後、
令音『……大丈夫かね、シン』
右耳に装着したインカムからやたら眠たげな声聞こえてきた。
琴里はある事情があっていないらしい。
士道「はい、意外と……落ち着いています」
令音『上条くんも大丈夫かね?』
上条「……ええ。大丈夫ですよ」
令音『それは何よりだ。しかし、十分気をつけたまえ』
士道・上条「「……はい!」」
2人の顔がキュッと引き締まる。席を外している琴里も気になるが、今は狂三に集中するに限るだろう。
その刹那、
士道「……なッ!?」
上条「な、何だ!?」
異変が起こった。具体的に何が起こったのかは分からない。全身を途方もない倦怠感と拒絶感が襲ったのである。
士道「こ、れ、は……」
上条「狂三の野郎……ッ!」
士道はその場に膝をつきそうになるのをなんとか堪え、姿勢を保った。
士道「お、おい、大丈夫か……!?」
慌ててすぐに倒れこんだ女子生徒の肩を揺するが、気を失っているのか、反応はなかった。
令音『……高校を中心とした一帯に、強力な霊波反応が確認された。これは上条くんの言うとうり狂三の仕業だ。広域結界……範囲内にいる人間を衰弱させる類いのもののようだ』
上条「でも、何でそんなことを……」
令音『……それは、本人に訊いた方が早いだろう』
確かに令音の言う通りだ。士道はその場に立ち上がり、なんともない様な表情の上条を見た。
士道「あれ?……そういえば、俺はなんで……」
令音『君は十香や四糸乃の霊力をその身に封印している。自覚はないかもしれんが、君の身体は精霊の加護を受けているに等しい状態なんだ』
士道「霊力……」
上条「てことは……十香は……」
教室には十香がいるはずだ。先ほど出てきたばかりの教室の扉を開いた。
教室には10名ほどの生徒が残っていたが、それら全てが床に、もしくは机にもたれかかるようにして気を失っていた。
十香「おお、シドー……当麻も一緒なのか……」
そんな中、
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