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久遠の神話
第百八話 最後の戦いその一
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            第百八話  最後の戦い
 戦いの日が来た、上城はその朝起きるとだ。
 普通に朝食を食べた、そうして一緒に食べている両親に言った。
「お母さん、今朝の卵焼きだけれど」
「美味しいでしょ」
「うん、お醤油の味が強めだね」
「父さんがな」
 父が自分の席から彼に言ってきた。
「リクエストしてな」
「お父さんお醤油の味強いのが好きだからね」
「ああ、だからな」
「お父さん最近ジョギングの距離増やしたでしょ」
 母が言ってきた、父の日課のそれをというのだ。
「それでたまにはって思ってね」
「しかも最近暑いからな」
「塩分が必要だからね」
「そのことも考えてね」
 だからだというのだ。
「今日の卵焼きはね」
「お醤油を多めにしたんだ」
「そうなの、あんたもね」
 上城も、というのだ。
「部活してるでしょ」
「汗をかくから」
「塩分は多過ぎると駄目だけれど」
 言うまでもなく成人病の元だ、塩分も糖分も人体に必要だが過ぎればどちらも毒になってしまうのである。
「けれど時々はなのよ」
「塩分を摂って」
「そうしないと駄目だからね」
「じゃあ僕も」
「ええ、その卵焼き食べてね」
 そうして、というのだ。
「学校に行きなさい」
「わかったよ、それじゃあね」
「今日も朝練あるでしょ」
「あるからね」
 だからだとだ、上城は味噌汁を飲みつつ答えた。若布と豆腐の味噌汁だ。
「早く起きたんだ」
「そうでしょ、じゃあね」
「朝御飯を食べて」
 その卵焼きと味噌汁、それに白い御飯のだ。梅干もある。
「歯を磨いてね」
「学校に行きなさい」
「そうするね」
「ええ、それじゃあね」
「さて、父さんもな」
 父も食べつつ言う、卵焼きを箸で切ってそうしてそれを口の中に入れてそのうえで、である。
「食べたらな」
「お仕事だね」
「もう走った」
 日課のジョギングは済ませたというのだ。
「後はな」
「それじゃあだね」
「シャワーも浴びたしな」
 見ればすっきりした感じだ、石鹸の匂いもする。
「後はな」
「うん、僕もね」
「綺麗にして行くんだぞ」
「歯を磨いてだね」
「顔も洗ってな」
 そうして綺麗にして、というのだ。
「行くんだぞ」
「わかったよ」
 こう親とやり取りをしてだ、そのうえで。
 実際に朝食を食べてから歯を磨いて顔も洗ってだ、そうしてだった。
 上城は学校に行った、部活に行き授業も受ける。それからも同じだった。
 放課後の部活にも出た、道場で竹刀の素振りをしていると。
 部長がだ、こう彼に言ってきた。
「上城、最近な」
「はい、何か」
「御前また一段と腕がよくなっていないか?」
 こう
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