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万華鏡
第七十九話 マラソン大会その九
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「それでよね」
「ええ、ヤクザ屋さんのお顔なんてね」
「悪者でしょ」
「すぐ見てわかる位にね」
「おかしな政治家とかニュースキャスターもよね」
 特にニュースキャスターのところを強調して言う彩夏だった。
「何か妙な人相してる場合多いわよね」
「まあ、神社とかはね」
 景子が言うには、このことは小声で言う。
「どうしてもね」
「どうしても?」
「どうしてもっていうと?」
「うちでもテキ屋さんが来てくれるけれど」
 その人達が、というのだ。
「このことも前に話したけれど」
「あっ、そうね」
「テキ屋さんもよね」
「そう、ヤクザ屋さんのルーツだから」
 テキ屋に賭場だ、日本のヤクザはこうした者達やその他には人足斡旋からはじまったと言われている。それが日本のヤクザのルーツだ。
「私はヤクザ屋さんについてはあまり言えないのよね」
「そうなのね」
「景子ちゃんの場合はなの」
「ヤクザ屋さんについては」
「そうなのね」
「そうなの、どうもね」
 これが、というのだ。
「あまり強く言えないのよ」
「その辺り難しいわね」
「どうにもね」
「そうなのよ、本当にね」
 こう話すのだった、そうした話をしてだった。
 琴乃達はとりあえずマラソン大会で着る服を決めた、結局セーラー服になった。それも冬用だ。
 そうしたことも決めた、だがその話を聞いてだった。
 男子軽音楽部の面々がだ、部活の練習前に女子軽音楽部のところに来てだ、その部室の前で話したのだった。
「おい、そっち仮装するんだよな」
「仮装したい奴は」
「そうなんだな」
「自由にやるんだな」
「ええ、そうよ」
 書記が男子部員達に答える、丁度女子部員達はジャージに着替えて全員で部室を出て準備体操をしてからランニングに出るところだった。
 その部室の前に男子部員達が来てだ、そして言ってきたのだ。
「各自でね」
「そうか、じゃあな」
「俺達もな」
「各自仮装するか」
「めいめいに」
 男子部員達は書記の言葉を聞いて頷いてこう言い合った。
「全員でやるか各自でするか考えてたけれど」
「そっちが各自ならな」
「こっちも各自にするか」
「仮装したい奴だけ仮装する」
「それでいくか」
「そうすればいいんじゃない?」
 書記はまた彼等に言った。
「今回軽音楽部は主役じゃないから」
「ああ、次は卒業式だな」
「先輩達を送る卒業ライブな」
「その時だからな」
「そう、だからね」
 このマラソン大会は、というのだ。
「各自自由に走っていいでしょ」
「完走だけ目指して」
「それでだな」
「順位は気にしないでね」
 このことにも構わずに、というのだ。
「完走を目指すことにしてるのよ、私達は」
「全員か」
「部の全員でだよ
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