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機動戦士ガンダム0087/ティターンズロア
第一部 刻の鼓動
第一章 カミーユ・ビダン
第三節 月陰 第一話 (通算第11話)
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ーウェン少将の第七混成機動機甲師団はアフリカ東部を直進、アフリカの角でジオン公国軍の撤退軍と激突し、多くの戦果を挙げた。ジョン・バウアー中将率いる第八混成機動機甲軍団は、西部を迂回し、残党の掃討を行いつつ、ハイマン准将、コーウェン少将の後詰めを行い、徹底抗戦を唱えた強硬派の分断に成功した。
 同時に展開された『北米掃討』はジーン・コリニー大将が総司令官となり、北のアラスカ基地からはカリフォルニア基地を目指す第五・第十・第十一軍、旧都ニューヨーク解放を目的とする第四混成機動機甲師団、南のパナマ基地からは第九軍が派兵された。南北からの挟撃にカリフォルニア基地は早々に陥落、残党はケープカナベラルへと敗走した。追撃した第五軍所属の第三混成機動機甲師団はケープカナベラルを奪還できずに終戦を向かえた。それに先駆けてヒューストン、メイポート、ニューヨーク、ノーフォークは解放され、北米の重要拠点はケープカナベラルのみとなっていた。
「あの作戦をやったから後背の憂いなく宇宙戦ができたんだろ」
「う〜ん……」
 ランバンとて根拠がある訳ではない。ただ、釈然としなかっただけなのだ。カミーユが言うのは教科書で習う通りの理由であり、理屈ではあってはいるが、それだけでは急ぐ理由にはならない。オデッサ戦を考えれば宇宙に持っていけない地上戦力で十分封鎖が可能なのだ。ましてや、RMV−0《ガンタンクイージー》が量産配備されていたのである。拠点防御としてはモビルスーツよりも頼りになる。
「まぁ、確かにカミーユの言う通りなんだよな。チェンバロ作戦も星一号作戦もだからこそ成功した部分がない訳じゃない。」
 ランバンの指摘もあながち間違いではなかった。実はこの二つの作戦はレビル大将の本意ではなかったと言われるからだ。後に判明することだが、ジーン・コリニーら地球至上主義派の強硬なねじ込みによる作戦であった。しかし、これを譲歩することで、レビル、ティアンム両大将は宇宙での全面的な指揮権を掌中にしたのである。
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