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SAO−−鼠と鴉と撫子と
35,再開と再開
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工したインゴットが俺の脛に深々と食い込んでいる。

「それで、また私に武器を作って欲しいと。また、折 ’れ’ ちゃうかもしれないのに?」
「ごめんなさい。ごめんなさい。もう二度と武器を折らないようにしますので、許してください」

よろしい、とリズベットがすべてのアイテムをポーチに格納する。そのまま前のめりにぶっ倒れる俺に、リズベットは上から呆れたとばかりにため息を振り落としてきた。

「全く、それにしても来るのが遅いわよ。今の話だと、1ヵ月前には私の武器は全滅してたんじゃない?」
「す、スキル取得やレベリングやら後始末やらが忙しかったし、やっぱり気が重くてさ」

 ここに来るまでの2ヶ月くらいは、出来るだけ他の武器種を利用したり、少しのドロップ品の性能の低い短剣を利用して凌いでいた。ここに来なかった第一の理由が、それが今の俺に必要不可欠だったというのはあるにはある。
だけど、心を込めて作ってくれた物を壊したのが後ろめたかったというのが素直なところ。それが、気持ちを込めて丹念に作ってくれたものなら尚更だ。どんな気持ちでリズベットがハンマーを振るっているのか、察せられないほど馬鹿じゃない。

だけど、リズベットはそんな女々しさを鼻息一つで吹き飛ばした。

「まあ、確かにショックだけどさ。それだけじゃ、こんなに怒らないわよ。半分くらいは、八つ当たりだし」

ポン、ポン。とハンマーを叩きながら、リズベットは椅子に腰をかける。俯きながら呟く様はいつもとは違って少し寂しげだ。

「この前、お得意様に逃げられてさ。もっと、腕の良いメイサーがこの界隈にいるらしいんだ。まあ、命を預ける武器なんだからしょうがないんだけどさ」

ああ、つまり俺も鞍替えしたんだと思っていたわけか。確かに、店に来なくなるのは普通なら客に逃げられたと考えるだろうな。そういう目で店を見渡すと確かに閑古鳥状態だ。長い時間ここにいるというのに、他の客は入ってこない。店も露天時代と比べると豪華だが、最前線の鍛冶師にしては寂れているという感じがする。儲かっている店は大通りの店を貸し切ってNPCに商売を任せている奴もいるほどだというのに。

「お前は、いい鍛冶屋だよ」

自然と口から出た言葉を聞いて、リズベットが顔を上げた。余りに間抜け面だったので思わず吹き出すと、リズベットも怒るのもバカバカしいとばかりに顔を緩ませた。

「なによ、それ。まるで口説き文句じゃない?」

「その言い方だけは勘弁してくれ。どこぞの情報屋が石抱きの方法と一緒になんて言ったか買い取りに来る」

「あはは、それは楽しそうでいいかも。お金になるし」

そう言いながら、どちらかとも知れず、笑いだした。その後の軽口には湿っぽい感情はもう一切ない。これでいい。俺もリズベットもセンチ
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