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邪炎騎士の御仕事
女狐の懐刀
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は少年が去った扉を見つめ、溜息をついた。

 「まあ、いいわ。どの道、今回の最大の目的であるあの子に枷をはめることはできるんだから。あの子に限って失敗はないし、デヴァシステムそのものは無理でも、その技術は間違いなくターミナル技術に応用できるはず。そう考えれば、組織としてはなんの損もないどころか、むしろ得ばかりだもの」

 ふざけているようで、実際には女傑は冷徹な計算の元に動いていた。少年の雲を掴むような話だけで調査にのりだしてやるほど、彼女は甘くない。元よりそれなりの裏づけはとれていたからこそだ。そして、何より今や自身の最大戦力でもあるあの少年に恩を着せ、枷をはめられると判断したからなのだ。

 「ふふふ、坊や。確かに貴方に弱点はないかもしれない。でもね、ないなら作ればいいのよ。
 我が子、晴明がそうだったように……」

 そう言って、女傑、いや葛葉は意味深に微笑むのだった。



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