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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜Cross world〜
cross world:交手
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ージを負わせようとしたものではない。
かといってバンザイアタックなどという趣味も持ち合わせていない。
きちんと、攻撃をされないという確信を持って突撃した。
どんなものでもそうであろうが、力ある者というのは大抵《余裕》がある。
例えば、小学生が肉食性であるアリを笑顔で観察していられるのは、それらがいざとなったら踏み潰せる弱者として存在しているからである。
《余裕》があるからこそ《観察》ができる。
こいつは一体なんなのだ、と。
どういう意図があるのだ、と。
ギョロリ、と。
ガラスでできたような、色の欠け落ちた二つの瞳がこちらを覗き込む。
しかし、忘れないでほしい。
《余裕》と《油断》は、紙一重だということを。
「今ッ!」
叫んでから、漆黒の輝線が脇腹の間隙を縫うように通り抜けるまで、コンマ一秒あっただろうか。
ッッッッドンンンッッ!!!!!!!
打ち上げ花火をゼロ距離からブッ放されたような、腹に響き渡る轟音が炸裂した。
同時、視界の端を黒い物体がヒュンヒュンと回転しながら、放物線を描くのを少女は見た。
アレは――――
腕。
肩口からごっそりと抉り取られた、生々しい人間の腕。
「――――――ッ!」
間近にある二つのガラス球が、一回り大きく見開かれるのを《流水》は見た。
傷口は、普通のエフェクトで表されなかった。
ソレを言い表すのであれば、陶器でできた人形であろうか。皮膚だけはまさしく人間のそれであるのに、その中身は空っぽで、人間でいえば心臓があるだろう位置にサイコロのような真っ黒いキューブが浮いているのが覗き見れた。
―――これ……は…………。
その映像に何かを思考するより早く。
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