第十二話 幼児期K
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終わり、ちょっと一服した後、今日の最大のイベントが始まった。暗がりで見えづらいが、俺たちの掛け声に母さんは少し恥ずかしそうに、でも嬉しそうにほんのり頬を赤らめていた。
「ありがとう、みんな」
そう言って母さんは、俺が転移を使ってクラナガンで買ってきた、ケーキのろうそくの火を吹き消す。それにみんなで拍手をする。誕生日の祝い方って案外どこも似たようなもんだよな。ミッドにもケーキはあるし、プレゼントもある。
俺はコーラルの光源を頼りに、リビングの明かりをつけに行く。災害とか日常でも、デバイスってなんか便利だな。部屋に電気がつき、吹き消えたろうそくから細い煙が立ち上っていた。
「おめでとう、お母さん!」
「ありがとう、アリシア。それじゃあ、早速ケーキを切り分けましょうか」
「やったー!」
「アリシアって本当にケーキが好きだよな」
女の子はやっぱり甘いものが好きなんだな。俺も甘いものは好きだけど、どっちかというとお団子とか和菓子系をよく食べていた。意外に日本人精神って根強く残るな。うんうん。
母さんがキッチンからケーキナイフと猫缶を持ってくる。もともとあまり人間の食べ物は与えちゃ駄目だしな。すき焼きの食べた量が少なかったからか、リニスは嬉しそうに猫缶を眺めている。
「リニスはケーキが食べられないけど、一緒には食べましょうね」
「にゃうー!」
「わぁ、ゴールドの缶詰だ」
「はは、リニスもおいしいものには目がねぇんだな。さて、それじゃあ俺はろうそくを取っときますかね」
俺は役目を終えたろうそくたちをケーキから外していく。さすがに年齢分もの本数をケーキにはさせなかったため、大きいろうそくで10歳分としてさしていた。俺の手には大きいろうそくが3本に小さいのが3本握られている。今さらだけど、母さん30代には全然見えない。
「母さん、……恐ろしい子!」
「え、えぇ?」
母さんに困惑した顔で見られました。いや、そんな大層な意味はないんだけど。すると、俺の言葉を聞いたアリシアが母さんを見つめ、不思議そうに小首をかしげた。
「……子?」
それはそれは純粋な目だった。
「母さん、しっかりして! まだまだいけるから! ごめん、こんな2次被害が起きるとは思っていなかったんだ!!」
「ふふ、大丈夫よ。お母さんだってもう、もう…」
「2人ともどうしちゃったの?」
『……いえ』
「……にゃー」
テスタロッサ家で、本当に恐ろしい子が発覚した日だった。
ちょっと落ち着きました。そんで、みんなでわいわいケーキを食べることにした。うまい。
しかし、リリカルって年齢と違って若く映る人が多いよな。甘糖さんやなのはさんのお母さんとか。2人とも原作で確か30
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