ターン9 ノース校と選ばれし戦士(中)
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みに、彼のこの戦いにおけるポジションは副将である。5分の休憩があることも考えれば、別にそこまで全力で走る必要はないのだが。
そしてトイレに入り軽く用を足し、手を洗っていると外から声が聞こえてきた。
「ふわ〜ああ、ねーむい眠い。さっさと顔洗って戻りますかね」
その声に聞き覚えがある気がして、なんとなく個室の中に隠れる翔。当然ここは男子トイレの中であり、わざわざ隠れる必要なんてどこにもない。だが、なんとなく顔を合わせたくない相手なような気がしたのだ。そのまま個室の中でドアに耳を立てて様子をうかがっていると、ジャバジャバと水道の水が流れる音がしばらく続いた。どうやら本当に顔を洗いに来ただけらしい、と一息ついた次の瞬間。
「しっかし、サンダーもえっぐいこと考えるよなあ………でもまあ、これが決まったらアカデミア本校も、だもんな。さすがサンダーだぜ。さ、かーえろっと」
「ま、待って!」
「あー?」
とても不穏な台詞を聞き、思わず個室から飛び出していた。怪訝そうに振り返った、その声の主は。
「おっと。お前は確か今年の本校側代表メンバーじゃねえか」
「お前は!確か、去年ノース校で中堅だった………えーと、誰だっけ」
「なんだよもう、覚えてないのかよ!俺だよ俺、去年初手攻撃力9600のモンタージュ・ドラゴン出したサンダー四天王の百、酒田だよ!」
「あ、思い出した。次のターン夢想さんに強制転移やられてた人だ」
「ええーい、そんなもん思い出すな!」
じたばたと手を振り回して怒っているポーズを取った後、なんとか落ち着いたように息を吐く酒田。身長の関係で再び翔を見下ろす形になったその眼には、先ほどまでのおどけた様子とはうってかわって真剣な光が宿っていた。
「まあいいさ。さてと、お前を向こうに帰らせていらんことを考えられると厄介だし、多少手順は変わるがしょうがねえ。お前、さっき『待て』って言ったよな?デュエリストに向かって待てなんて言う以上、当然デュエルの覚悟はできてるんだろ?」
「え、ええ!?」
翔は別に、そこまで非戦的な性格ではない。規格外なデュエル馬鹿である十代や清明と暮らしているせいで影こそは薄いが本人にそこそこの向上心があり腕も決して悪くはないため、ラーイエローへの昇格も間近である。それになにより、酒田がさっき漏らした言葉の内容も気になっていた。だから彼は少し迷ったものの、結局はデュエルディスクを構えるのだった。その様子を見た酒田が意外そうに、だが嬉しそうにニヤリと笑う。
「「デュエル!」」
「おいチビ、デュエルディスクの決定を待つまでもないな!先行はお前にくれてやるよ」
「………わかった。僕が先行だ。永続魔法、機甲部隊の最前線を発動。さらに永続
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