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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン9 ノース校と選ばれし戦士(中)
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んはずだ。これはノース校に代々伝わっていたレアカード、アームド・ドラゴンの他にもう2つあるレアカードだ。教職員はおろか、あいつらにさえ気づかれないように盗ってくるのはかなり骨が折れた」
「へー、そんなものが………でも、なんで?そりゃ許可は下りないだろうけど、別にわざわざ他の皆にまで黙ってることはないんじゃない?」
「……俺の勘だが、どうも今回は嫌な予感がしてな。あいつらでさえ今一つ信用できないんだ、と言ったらお前は笑うか?」

 いいや、と首を横に振る。嫌な予感、か。そういえば、夢想もつい昨日は同じことを言ってたっけ。実際、あそこで夢想がついてきてくれなかったらあの3人組相手はかなり厳しかったろう。そして、今は夢想に続き天田まで同じことを言う。気のせいだったら笑い飛ばせばいいだけだし、警戒するに越したことはないだろう。

「……俺は、別に光の結社に恨みがあるわけではない。ただ、怖い。あそこに入った人間は、全員目つきがおかしくなる。何かわからないものを信仰し、そのほかのことに目が行かなくなる。つい昨日まで隣で笑っていた友が、同じ結社の人間以外とはまともに話すらしなくなる。だから俺は、光の結社をなんとかしたい。そう思うんだ」
「そっか。なら、僕と一緒だよ。恨みなんてものは特にないけど、友達を返してほしい。言うことなんてそれだけさ」
「……ふ。同じことを考えていたか。だが、勝負は勝負。俺は、負けはせんから覚悟しておけ」

 ちょっと笑ってそう言い残し、そのまま戻っていく天田。言われたとおりにケースをポケットの奥深くに押し込み、何食わぬ顔をして夢想たちのところに戻る。さて、そろそろ時間かな。

「あーあー、それでは皆さん、お待たせしたノーネ。第2回戦、これより始めますノーネ!」
「頑張ってね、葵ちゃん!」

 そう声をかけると、彼女はそっと振り向いて、普段の様子に似つかない、どこか寒気をする笑顔をして見せた。

「………ええ、先輩」










 さて、それではここで時間を少し巻き戻そう。時は、剣山のデュエルが終わる、その少し前………丸藤翔は、走っていた。彼は今の今まで遅い朝飯となった弁当、朝ご飯を作っておらず、しかもそのことをすっかり忘れていた清明からお詫びの品として急遽タダで貰うことになった観戦用のそれを食べていた。その間は観客席にいたのだが、いざ食べ終わって戻ろうとするとごみ箱はすでに弁当の空箱で満員状態。そこらへんに放置するわけにもいかず、わざわざ他のごみ箱を探してさまよっていたのだ。そのあたりに、彼の誠実ではあるが要領の悪さが目立つ点がよく表れているといえるだろう。

「ふー、すっかり遅くなっちゃったよ。急がないと、もう剣山君の試合も終わりそうだったし………と、トイレトイレ」

 ちな
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