第八話
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体は、我が国以外ではまだ生産されていない。唯衣ちゃん、ここを見てみな」
映像を一時停止して、グフ・カスタムの左肩のエンブレムを拡大する。花束をリボンで巻いたエンブレムが映しだされた。
「う、嘘。まさかこの機体を造ったのは?」
「そうだ。唯衣ちゃんの幼なじみで、12歳の時に国連軍に入隊した不動悠斗くんだ」
篁中尉の顔が、驚愕に染まる。口を開けパクパクと魚が口を動かす用に口が動いていた。
「なんで、悠君がこんな機体を造っていたなんて」
「いや、実は彼は一昨年にMSと呼ばれるザクTの開発に成功していたんだ。更に去年には、ザクUと呼ばれるザクTの改良型の開発もしている。アラビア半島撤退作戦の話は、聞いた事有るだろ?」
「はい。悠君から着た手紙には、作戦に参加した位だとしか書かれてませんでした」
少し、悲しげな顔で返事をする篁中尉。本人に全くこのような話は、していなかったのがショックだったのだろう。
「まあ、彼の開発した機体は高コストが原因で一般には、出回ってない。しかし、機体は非常に優秀で第3世代機と評価されているよ」
「では、このグフと呼ばれる機体は、ザクUの派生ですか?」
「ああ、そうだ。我々が不知火の改修に悩んでいる内に彼は第3世代機を凌駕する機体を造りあげた。しかも、新型OSも開発して世界中に発信したよ。国連事務総長を、通じてな」
篁中尉は、目に見えて落ち込んでいた。彼女の欠点は反省癖が強い事だ。そこは、亡くなった彼女の父親にそっくりだった。
「唯衣ちゃん。自分を責めちゃいけないよ。唯衣ちゃん自身は、しっかりと任務をこなしているから。責める必要はないよ」
白く綺麗な手に爪が食い込んで手の内側が赤くなっているのが見えた。
「しかし巌谷中佐!同い年の彼はしっかりと人類に貢献しているのに、私は、私は何一つ結果を残せていません」
彼女の頬を一滴の涙が伝う。いかに頑張っていようと結果が世の中全てで有る事を彼女自身が知っているからだ。
「なら、篁中尉に一つ任務を与える。不動悠斗准将が造ったこの新型OSを使いこなして欲しい」
今まで自分が持っていた、資料を渡す。受け取った篁中尉は、すぐさま泣き止み資料に目を通す。 再び驚愕した顔になった。
「巌谷中佐。この新型OSは、本当なのでしょうか?即応性が現行のOSの60パーセント増だとは信じられません!」
「信じられないかも知れないが、此がMSのOSと同じ物だそうだ」
「だとしたら、世界中の戦力を押し上げる事になりますよ。このOSが世界中に広まれば、戦死者の数が一気に減り死の八分が過去の物になります!」
「そうだ、多くの衛士達が突破出来なかった死の八分が過去の産物になるのだ。この任務引き受けてくれるな
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