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SAO<風を操る剣士>
第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第二章 第二層攻略
第9話 《体術》
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 俺は今、走っていた。理由はシリカたちに言ったように、牛《トレンブリング・オックス》を捕まえた(というか追われている)からだ。

「……よし! 見えた…」
 どうやらキリトが、時間稼ぎをまだしていてくれたらしい。
 ……シリカたちと別れてから、3分くらいしか経ってないけどな…

 そこで俺は牛の方に振り返り、足を止めた。

 ここで一つ教えておくと、俺はキリトに《ソードスキルのブースト》という、《システム外スキル》を習った事かある。だからその時俺は、キリトに教わりながら(いつか俺も《システム外スキル》を見つけてやる!)と心に(ちか)った事がある。いつかキリトに、そのスキルを教えるのが少し野望(やぼう)である。
 …今じゃ探すのが一つの趣味みたいなものだが…

 まぁそれで、β時代にやる気になって探したおかげで、俺はまだうまく出来ないからキリトとシリカにも、教えていないスキルが2つある。

 1つはまだ、20回やって1回か2回の成功率でまだまだ使えないが、もう一つの方はこのゲームが始まって、1ヵ月練習してやっと連続で使用しないなら、失敗せずに使えるようになったスキルがある。

 それを今、この牛を避ける為に使おうと思う。
このSAOのモンスターに(あた)えるダメージは、《筋力値》の(あたい)のパワーと《剣の重さ》、それに《速さ》で決まる。

 しかし《速さ》を上げる為には、《敏捷力(びんしょうりょく)》を上げなければならない。しかし、《筋力値》は全身の筋力のパラメーターを上げる値だ。

 なので、同じ筋力を使った《脚力》も上がっているのではないか……と考えた。
 《敏捷力》は、あくまでも《体を速く動かせる値》なのだ。
 …なので俺は、地面を《蹴った時に、自分が吹き飛ぶ》イメージをして、強く蹴った。

 そして俺のシステム外スキル《値移行(パラメーターチェンジ)》で、《筋力値》のパワーを《敏捷力(びんしょうりょく)》に加算させて、牛の真横に素早く移動した。

 …ちなみにこの移動方法は、まだ一直線にしか進めない為、この単純に突進して攻撃をしてくる牛とは違い、ボスなどに使ったらカウンターの絶好の的であるため、ボス攻略の時は使わなかった。

 牛はその後、急に真横に移動した俺を(すでに《隠蔽(ハイディング)》発動中)探す為か、ブレーキをかけて止まった。
 しかし、また新たな標的を見つけたのか、そちらの方へ向かった。

 そして狙われた方も、けっこう牛が近くに行ってからやっと気づき、
「「ごっ……ござるぅぅッ!!」」
 と、言いながら狙われた方、つまりあの二人組は走っていった。
 ……あのござる口調…そういえばβの時に聞いたことあるような……まあいいか..

「いや〜..うまくい
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