暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
突入〜
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レット。ヴァンを裏切ろうとしちゃあ」

「シンク・・・!」

「この!」

知也がシンクを撃つが、シンクはそれをかわす。

「悪いけど、まだ分が悪いからね。もっと奥で待たせてもらうよ」

シンクが居なくなるが・・・そんなのどうでもいい。

「ジゼル!ジゼル!しっかりしろ!」

「サ・・・キ・・・ごふっ・・・」

「ジゼル!あ、あぁ・・・血が、血が止まらない・・・」

頭の中が真っ白になる。

『咲さん!薬ッス!まだクレスさんの薬が残ってる筈ッス!』

「っ!!」

俺は慌てて空間を開き、薬を取り出す。

「ジゼル、これを飲んで!速く!」
何度も吐き出しながらも、ジゼルに薬を飲ませる。

「ティ、ティア、ナタリア・・・お願いだ、姉貴を、姉貴を・・・!」

「ええ!教官を死なせはしないわ!」

「任せてください!」


・・・本来なら、自分の術で助けたかった。・・・だけど、今は・・・二人に任せるしかない・・・

「・・・傷が」

やはりクレスの薬の効果は凄まじい。みるみる内にジゼルの顔色が良くなる。

「ジゼル・・・!」

ジゼルはうっすらと目を開く。

「・・・サキ・・・これを・・・」

ジゼルは自身が使っていた銃を差し出してくる。

「・・・」

「あなたが私より強くなった・・・記念よ・・・」

「・・・ジゼル」

「行きなさい。・・・必ず、戻ってきて来なさい」

「だけど・・・」

「・・・知ってるわ、体の事は・・・だからこそ、帰ってきなさい。あなたの姉として・・・やり直したいから・・・」

「・・・」

「・・・行ってきなさい。私は・・・平気よ」

俺は頷き・・・立ち上がる。

「・・・わかった。行って・・・きます」

「・・・ふふ」

ジゼルは微笑み・・・その目を閉じた。

「ジゼル!?」

「大丈夫、眠っただけよ」

「ここに放置するのは不味い。アルビオールまで運ぼう」

「わ、分かった」

俺はジゼルを抱え上げ、アルビオールに運ぶ。・・・待っていてくれよ、姉貴。必ず終わらせて・・・帰ってくるから。


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