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剣の丘に花は咲く 
第四章 誓約の水精霊
第一話 プレイボーイ
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い?」
「……だって……恥ずかしいし」
「あん? 恥ずかしい?」

 天を仰ぎ怒りを露わにしていたルイズが、デルフリンガーの言葉に顔を赤らめ俯く。
 急な態度の変化に、戸惑った声を上げるデルフリンガー。

「そ、そのね。ちょ、ちょっと色々あって……」
「んん? 色々? 色々って何だ?」
「い、色々って言ったら色々よっ!! 聞かないでよねっ!」

 唐突にキレたルイズに、デルフリンガーが恐る恐ると声を上げる。

「わ、分かった分かったってぇの。はあ……しかし、石を投げるのはやりすぎだと思うがね? 下手に当たったら死んでたかもしれねえぞ」

 ルイズも分かっていたのか、うっと苦しそうな顔をすると、デルフリンガーから顔を逸した。

「し、士郎がいけないんだもん。わたしがこんなにモヤモヤしてるのに、自分は平気な顔でメイドとイチャイチャしてるし」
「やきもちも、やり過ぎはやばいぜ」
「ぅう〜……や、やきもちじゃ……ないも、ん」

 穴の中、足を曲げ、膝に手を回し小さくなると、ルイズは赤らんだ顔を足の間に押し当て、口の中で小さく呟く。
 
「それだけじゃ……ないもん」







 急に小さくなり、押し黙ったルイズに、どう声を掛けようかと、デルフリンガーが考え込んだことにより、穴の中に沈黙が満ちる。そんな時、穴の隅で小さくなっていたモグラが、ガバっと立ち上がったかと思うと、小さな手足を必死に伸ばし、穴から抜け出そうとしている。どうやら誰かが近づいて来たようだ。穴から抜け出たモグラは、士郎達がいる反対方向から現れた人影に向かって駆け出す。
 モグラを探しに来たギーシュである。
 ギーシュは近づくモグラに気付くと、すぐに地面に立て膝をつくと、飛び込んで来たモグラを抱きしめ頬擦りした。
 
「ああ! 捜したよヴェルダンデ! ぼくの可愛いけむくじゃらっ! こんなところに穴を掘って、一体何をしているんだい? ってルイズじゃないか? 何でこんなところにいるんだね?」

 モグラが出て来た穴を覗き込み、穴の中にルイズを発見したギーシュは、怪訝な顔でルイズに尋ねる。
 ギーシュの腕の中では、モグラが困ったような目で、ギーシュとルイズを交互に見比べている。ギーシュハ手を顎の下に当てると、髭が生えてもいないのに、髭を撫でるような仕草をしたかと思うと、犯人を問い詰める探偵の様な口調でルイズに話しかける。

「んっふぅっふっふ。分かったぞルイズ。君はヴェルダンデに穴を掘らせ、美容の秘薬の材料であるどばどばミミズを探していたんだっ! いやっ。理由は分かっている。士郎だね。最近士郎は食堂のメイドにむ、ちゅ、う――」

 ベンチの近くでシエスタをお姫様抱っこしている士郎を横目で見つつ、ニヤニヤと笑いながら話していた
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