P.T.M
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人間の域を超えた世界にいるのだろう。
さらば、新人類たちよ。例え一瞬の出会いは君たちの心の中で永遠になるだろう。
一期一会の合間に築いたその信頼関係は、人類の新たな希望となるだろう。
人と人が分かり合える、争いの無い未来へと・・・・・・
「―――という事があったんだ。結構可愛い女の子だったと思う。きっと赤い糸で繋がったパートナーだと思ってるんだが・・・どう思う、冴鮫?」
「抱いた感想は三つある。一つ、お前は馬鹿だ。二つ、内容が馬鹿馬鹿しい。そして三つ・・・馬鹿の話には興味が湧かない」
「相も変わらず見事なまでに連れないお返事アザーッス!」
教室に向かう途中に出くわした、我が盟友である(と勝手に思っている)冴鮫の冷淡かつ容赦のない返答に思わず感謝の言葉が出てきてしまった。この罵倒されているのにいっそ清々しくて嫌にならない気分は何なのだろう。言葉責め大好きなドМの皆さんには堪らないだろう。幼馴染と上手く言っているのもこの絶妙な罵倒の賜物なのではないだろうか。
「ったく、何でお前は馬鹿と言われて悦ぶかねぇ?そういう特殊な性癖なら余所を当たってくれないか?俺は特殊異常性癖なんか持ってないし、うっかりお前のマゾヒズムがいりこにでも伝染ったら困る」
「またノロケが出たよ・・・これだからリア充は!」
「喧しいわ!変態が増えたら困るからそう言ったまでだ!!」
「彼女に対する独占欲ですねわかります!」
「違うっつーの!あいつにそんな青春宜しく甘酸っぱい意識は抱いとらん!!」
冴鮫的には幼馴染のいりこが本気でマゾではないかと疑っての言葉なのだが、他人から訊けば大切な彼女にに変な事を教えるなと釘を刺しているようにしか聞こえないのだから不思議だ。世界は不思議に満ちている。きっと彼と彼女の出会いも、そんな不思議の一つなのだろう。
なお、件のいりこちゃんはお花摘みに行っているらしい。花壇のフラワーを引っこ抜きに行ったのかと聞くと、面倒だからそれでいいと言われた。何か間違っただろうか?
と―――前方の注意を怠ったその瞬間、通りかかった教室のドアが突如開く。その目線の先にいた彼女の姿を確かめた瞬間、彼と彼女は再び出会い、そして2人の精神は加速した。
(この短期間でまた出会うのか・・・)
(案外、本当に何かしら縁があるのかもね。でも・・・)
(この速度、距離・・・これはまずいな)
(既に確実に避けられるタイミングを逸してしまっている!)
(しかも、咄嗟に体を止めようとしたことで体のバランスが・・・!?)
(そしてまたもや、そして奇しくも条件は向こうと同じ・・・)
(つまり)
(これは)
((第2ラウンド・・・ッ!!))
おお、運命の女神よ。汝は何故我々に試練を与えたまうか。
運命を変えるため彼
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