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【短編集】現実だってファンタジー
高速道路最速奇譚! 後編
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は流石尾崎じいちゃん!元バスケ日本代表は伊達じゃないね!」
「まぁねえ。70になっても昔取った杵柄って奴は活きてるのさ」
(日本バスケってそんなに昔からあったのか?)

だんだんと人は増えていき・・・

「〜♪〜♪」
「おや、高旗くん。今日はいつものスキップより機嫌が良さそうなスキップだね?」
「・・・実は今日、プール開きなのです・・・わくわくし過ぎて100キロオーバーしないように気を付けるのが大変です」
「ははぁン、それで今日のランドセルに水着袋を引っかけてんのネ!」
「プールは危険もありますから、楽しんでいる間も最低限それは忘れないようにね?」
「はーい、です」

いつしか・・・

「おいーっす!今日もばりばり人間怖がらすぜぇー!!」
『怖がらすのだぁー!!』
「おお、人面犬のジンと鞠つき幽霊のマリじゃん!最近見なかったけどどうしたん?」
「それがさー!マリが人間のオトコに一目惚れしたとかで・・・」
『わーわー!!何でもないの本当に何でも!!』
「うーん・・・フォトン・レプトン・ハドロン・グラビトンその他諸々全部反応なしかぁ・・・なかなか難しいね、マリちゃんの存在証明☆」

今日も高速道路をみんなで並走と相成った。

走る走る、ミサイル・自転車・リヤカー・ドリブル・スキップ・そして犬と幽霊。今日は現れていないが実際にはあと何人か通勤仲間がいるが、みんながみんな移動方法が個性的すぎて俺だけ浮いている。実はみんな速度調整を俺基準に考えているらしく、勝手にペースメーカーにされていた。

うーん、俺と莎良々ちゃん以外は「車?ああ、リミッターの事でしょ?」状態という恐ろしい環境。余りにも非日常過ぎて逆に慣れてしまったが、ひょっとして俺達傍から見たら高速道路に巣食う百鬼夜行ではないだろうか?人面犬と幽霊までいるし・・・・・・あ、ひょっとしてこの道路に他の車両が異様に少ない理由って・・・?

いや、考え過ぎか。この近所の高速だけでもこれなんだから、きっと余所にはさらに変なのがいるに違いない。それが証拠に、俺は未だに都市伝説の存在を見たことが無い。何故ならここにいる全員はちゃんとここに存在し、それを確認できるからだ。まぁマリちゃんはちょっと怪しいけど。

「お、そろそろインターチェンジだ!」
「また明日ー♪」
「お気をつけて。またいつか飲みに行きましょう!」
「野菜配達承るヨ!水樹農園をごひいきにネ〜!」
「たまにゃあ車でのぅて、体も鍛えるがええぞ」
「お仕事頑張って下さい、です」
「『いってらっしゃーい&行ってきまーす!』」

「はいよー!それじゃ皆、また明日!」

こうして皆はそれぞれの行き先へとばらけ、今日の集団出勤はこれでお開きになった。
今日もみんな賑やかたっだな・・・何だか皆か
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