高速道路最速奇譚! 前編
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て来た時点で既にいちごジャムが塗ってあるという次世代っぷり。おまけに外装の一部が展開されて簡易テーブルまで出来上がり、ホットミルクが自動でコップに注がれるという光景まで見せつける。とっても幸せそうな顔でカリカリのトーストを頬張り「んまーい?」と声を漏らしている。
「何その機能ちょっと羨ましい!今度サンドイッチか何かとコーヒー淹れてくれる機能とかつけてよ莎良々ちゃん!」
「おっけい☆次の休みにインターチェンジ近くの喫茶店で待ち合わせ!いい?」
「超オッケイ!」
パッと弾ける莎良々ちゃんの笑顔がいつも以上に眩しい。きっと彼女は天使に違いない。ちょっと眩しすぎて目がチカチカするが。
「っていうか、いつも遅刻気味だけど目覚ましの開発はしてないの?」
「してるけど・・・いつも寝ぼけて全部停止させちゃうの☆」
「はっはっはー、流石は天才女子高生ー!」
流石天才は格が違ったのか、寝ぼけていても天才的らしい。と、そんな日常会話を交わしている最中、前の方をとろとろ走っていた車が一台、こちらが近づいた途端ハンドル操作を誤ってか外壁に突っ込んだ。随分驚いていたようだが何か変なものでも見たんだろうか。案外と居眠り運転かもしれない。ボンネットがぐちゃぐちゃだが別に燃料漏れとかはしていないように見える。
あれかな、寝ぼけて都市伝説「ターボばあちゃん」でも見えたんだろう。ターボばあちゃんは車並みの速度で疾走するばあちゃんがいるという内容なのだが・・・可哀想に疲れていたんだな、そんなのいる訳ないだろう。ある意味憑かれていたのかもしれないが。
「救急車呼んだ方がいいか?」
「スカッドちゃんの観測によるとエアバッグのおかげで失神で済んだみたい☆居眠りでもしてたのかな?」
「ふーん。じゃ、先に警察だな」
通勤中なのでいつまでも構っていられない。莎良々ちゃんが自分の持っていた端末でピコピコと操作をし、「終わったよ!」と告げる。どういう方法でかは知らないが高速道路の管理回線に割り込んでい一方的に情報を送りつけているらしい。
= =
「・・・・・・な、何だったんださっきのは」
暫くの時間を置いて意識を取り戻した男性は、まるであり得ない物を見たような顔で車の外に出る。自分は飲酒運転もしてないし変な薬物を取っている訳でもない。ただ、今日はちょっと出張があってここを通っただけなのに、事故を起こすなんて本当についていない。
「夢・・・だよな。そうでなけりゃ、ありゃなんだったんだ?」
彼の視力が正しければ、それは―――ミサイルだった。そしてそのミサイルに、女の子が跨って飛んでいたのだ。余りにも非常識な光景だったので脳がフリーズし、やがてそのミサイルが自分の車に向けて加速しだしたので本能的にハンドルを切ったのだが。
「
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