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【短編集】現実だってファンタジー
高速道路最速奇譚! 前編
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全てに光源が仕込まれているんじゃないかと思えるほどのキラキラ具合である。

「今日も君の『それいけ☆ちびスカッドちゃん3号機』は絶好調みたいじゃないか。前に言ってた他の子たちはまだ高速道路は早いかな?」
「そーなんですよ!トマちゃんもガーちゃんも誘導システムと推進系の調整がまだ甘いから、低空飛行は経験不足で・・・今じゃこの子が一番のベテランさんです♪」

そう言いながら彼女がミサイルを撫でると、横についた液晶パネルに『(≧∀≦)』という顔文字が表示される。ミサイルも褒められて喜んでいるようだ。また新しい機能が増えたな、このミサイル。

彼女の名前は星川(ほしかわ)莎良々(しゃらら)。はためくツインテールがチャーミングな、何から何まで異様にキラキラしている天才科学者女子高生である。こと兵器開発とAI開発に於いては右に出る者がおらず、今もこうして自分の作成した小型乗用式自立機動ミサイルに乗って通学している。・・・そもそもこれ、ミサイル・・・なのか?あれ?ミサイルって攻撃するためのものじゃなかったか?

知り合ったのは単純にこの高速道路でよく出会うからであり、最初はありとあらゆる意味でぶっ飛んだその姿に事故りかけたものだ。
なにせミサイルというだけでも非常識なのに、彼女はそれに跨って通学しているのだ。一度ミサイルの故障から一時的に俺のコペンの車体で牽引したことがあり、そこで初めて口をきいたのが付き合いの始まりだ。今では通学仲間にしてメル友である。

何でもこのミサイルは彼女が「移動用のモノで学校に行くのは普通過ぎてつまらないの!」と思いつき、ミサイルに乗って登校することにしたのが開発のきっかけだとか。しかもこのミサイル、改良に改良を重ねて現在はバリア、慣性制御、ナビ機能など様々な機能が搭載され、とうとう3号機で人工知能まで搭載されてしまった。思わずどういうことなのと訊きたくなった俺は悪くないと思う。君は絶対に才能の使い方間違えてるよ。

現在並行して「いそいで☆ちびトマホークちゃん2号機」と「そうだね☆ちびスティンガーちゃん初号機」が試験運用中であり、今は性能より制御するAIの育成にいそしんでいるそうだ。お兄さんは話についていけまへん。というか人工知能には喜怒哀楽まで教え込んでいるらしく、「いつか大江戸さんのコペンちゃんにも同じタイプの人工知能を搭載してあげる♪」と笑顔で言われたときは素直に頷いていいのか迷ったものだ。

と、スカッドちゃんからチンっ♪と小気味のいい音がし、遅れて微かに香ばしい匂いが・・・?

「あ、トースト焼けたみたい!」
「いつの間にそんな機能を!?」
「んっふっふ〜・・・いいでしょ!これも度重なる遅刻への対策なのだ!」

何とスカッドちゃんの身体から焼き立てトーストが飛び出て来たではないか。しかも出
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