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絶望と人を喰らう者
第三話 二
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、何とか壊れている車を遮蔽物に、避難できた。
 彼に遅れて急いで結月達も彼の下へ行く。

「怪我の具合はどう!?」

「いや、平気だ。致命傷では無い」

 結月は血の気の引いた顔で彼を心配し、傷口を持っていた包帯で押さえる。

「あのデセスポワールのおかげで何とか逃げ切れたが、このままでは手榴弾を投げられて全滅しちまうぜ!」

 新田は車から身体を出して敵に向かって銃を撃ちながら、天羅へ命令を促すように言った。
 
「仕方ない、一人ここに残って戦って敵を引き付ける。他はここから後退していき、敵の側面に回り込むんだ」

「よっし、じゃあ俺が……」

「いや、ここは怪我をしている俺が引き受けよう。命令権は結月へ渡すから彼女に従うんだ」

「えっ!? な、何を言ってるの!? 貴方怪我をしているじゃない! ここはまだ元気な私が引き受けるよ!」

「いや、駄目だ。おっと先に言っておくが、新田に藍川。お前らも駄目だからな。俺は足を撃たれてかなり動きに支障をきたしているからな…… お前らより俺の方が適任だ」

「だ、だって……」

 結月が未だに彼に対して思いつめぐずっていると、天羅は彼女の肩に手を置く。
 そして、結月を心配させないよう自信をたっぷりと含んだ不敵な笑みを彼女に見せて、口を開いた。

「大丈夫だ、俺は悪運が強いからな。さあ、早く行け! 作戦は始まってるぞ!」

 彼はそう全員に激励すると、すぐに身体を車から出して銃をボンネット越しから構えて引き金を引く。
 結月は拳を握って、自分のしないと行けない事を弁えると、そっと彼に耳打ちをした。

「天羅、必ず生きててね」

「あぁ、そっちも、それにアリス嬢ちゃんも気をつけろよ」

「うん、あまらもぜったい、ぜったいにしなないでね!」

「じゃあ、皆行くよ!」

「おう!」

「はい!」

 全員、行動開始する準備が出来ると、その場は天羅へ任せて背を低くしながら後退した。

 数分後。

 彼らには地図等が無いが、今までここら都市みたいな一帯を歩いてきた土地勘みたいなものがあり、天羅達が戦っている場所から迂回できる場所等も把握している。
 建物群のおかげで迂回をするのがバレない代わり、回り込むには少し距離を要するのが難点だが。

「敵が真正面から攻めて来ていて助かりましたね、迂回する時に敵が居るかと冷や冷やしましたよ」

「あいつら、良くも仲間を殺りやがって、絶対に俺が殺り返してやる!」

「えぇ、私達に銃を向けた事を後悔させてやるんだから」

 結月達が行動しているその一方。

 ナナシは彼らが居なくなった事で甲殻化を止めて、敵の銃弾の雨を掻い潜ると、敵の集団に突っ込んだ。
 そして、彼は跳躍し
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