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狼新聞
第一章
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かもこれは敵軍の将兵を斬った話の筈が何故か捕虜や一般市民を虐殺した話になった。
 しかもその他にも過去の写真が何故か略奪や蛮行の証拠写真になった。何故か異なる写真で殺されている同一人物がいてもだ。そうした明らかにおかしな写真まで虐殺の証拠写真とされていった。
 この百人斬りの軍人の遺族はこれにより家庭が崩壊してしまった。あまりのことにだ。またある人物が検証をはじめたのであった。
 今度はだ。日本刀の話だった。
「日本刀は一度の戦闘で百人も斬れない」
 この事実から話された。
「それで何で百人斬りができるんだ?」
「そういえばそうだよな」
「しかも作戦を指揮しながら?」
「将校だからそうなる筈なのに」
「一体どんな軍人なんだ」
 調べれば調べる程おかしな話だ。そしてだ。
 常識から考えて到底有り得ない話という結論に至った。何しろ最後の最後に兜割りまでしているのだ。戦場を戦いながら百人斬りを競いそのうえで剣術の奥義まで出したのだ。剣術を知る者は言った。
「この軍人は恐ろしい達人だ。事実ならば」
 こう言ったのである。
「事実とは絶対に思えない」
「そうだよな。荒木又右衛門で三十六人だけれどな」
「あれも創作だしな」
「時代劇とかじゃ刀で突いてるな」
「ああ、そうしてるな」
 かなり昔のリアルな時代劇の映像を見ての話だ。

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