第一部 刻の鼓動
第一章 カミーユ・ビダン
第一節 前兆 第三話
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、アースノイドにもある感情なはずだった。なぜなら、ティターンズであっても、「母なる惑星、地球」という言い方をするからだ。
それなのにどうして同じ人類同士でいがみ合わなければいけないのかという疑問だけが残る。しかし、答えは出なかった。
ユィリイは自分の専門である移民史を繙けば繙くほど、移民が迫害の歴史を歩んでいるようにしか思えず、悩んでしまう。人類は、結局二十世紀から続く民族紛争の火種を抱えたまま宇宙に拡大してしまっのだろうか。だから人類は、その鬱積の捌け口を求めて戦争というカタルシスに暴走したのではないか。そうとしか思えないほど、一年戦争が残した傷痕は大きい。
ファ家はフォン・ブラウンの華僑を頼って疎開していたから、まだマシな方だった。
カミーユだってそう。
でも、ユィリイの友達の中には、一年戦争で父親を失った娘や、恋人を失った娘もいた。
一体いつまで、スペースノイドは地球連邦政府に虐げられ続けなければならないのだろうか。
何故、地球連邦政府は地球から宇宙を支配しようとするのだろうか。
ユィリイの疑問は尽きなかった。
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