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幸せの色
第四章
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かしら」
「確かに」
 達也もそれに頷く。二人は今緑の公園を並んで歩いていた。緑の並ぶ公園を。
 美術部の仲間達があちこちで描いている。彼等の他にも街の人や小さい子供を連れた母親もいる。何処にでもある平和でのどかな公園であった。
 二人の側にそんな母子が歩いてきた。若い母親が小さな子に何か教えていた。
「この葉っぱがね」
「うん」
 見れば男の子であった。その男の子が母親が手に持っている緑色の葉っぱをじっと見ていた。
「皆を守ってくれているのよ」
「皆を?」
「そうよ」
 母親は男の子に教えている。二人はそれをぼんやりと眺めていた。
「空気を奇麗にしてくれてお水も持っていてくれてね」
「葉っぱって凄いんだね」
「ええ、凄いのよ」
 母親は優しい顔で我が子に語る。その手の中の葉っぱが眩しい位に鮮やかな緑を見せている。
「こんな小さな葉っぱでもね」
「僕を幸せにしてくれるのかな」
「幸せ・・・・・・」
 二人はその言葉に耳を瞠った。


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