第十三話 Electromagnetic Power Plant
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何もない通路を抜けると、タービン室の扉にたどり着いた。
エックスがそれを力任せに開けると、中はまた暗闇だった。
だが、何かがいるのは分かった。
暗い天井付近で七色に明滅するランプが縦一列に見えた。
それが合図であったように、広い部屋の照明が点灯される。
そして、天井の太いパイプに片手でぶら下がる巨大な猿の影が浮かび上がった。
エックス「マンドリラー…」
エックスは苦い顔でかつての同僚の名を呼んだ。
来ると分かっていたスパーク・マンドリラーは、静かに床に降りてエックスに問いかけた。
マンドリラー「…シグマ隊長が狂ってると思うかいエックス?」
シグマの名を聞いてエックスの顔がさらに険しくなる。
エックス「奴はもう隊長なんかじゃない…イレギュラーだ!!」
マンドリラー「なあ エックス…」
マンドリラーはボリボリと頭を掻きながら言った。
マンドリラー「隊長が正しくて お前が間違ってると思ったことはないか…?」
エックス「…………」
マンドリラー「俺も考えるのは苦手だ…答えは戦えば分かるかもしれんな…」
表情の無い顔に何か遠くを見るような目をしながらそう語ると、マンドリラーは腕のドリルの出力を上げた。
エックスもアームパーツによってパワーアップしたバスターを展開する。
二段階のチャージショットをマンドリラーに放つ。
マンドリラーはそれを翻すとその巨躯と普段の態度からは想像できないような俊敏な動きで接近すると、その豪拳でエックスを殴り飛ばした。
“豪速拳の雷王”の異名を持つマンドリラーの恐ろしさは接近戦の強さではなく、その俊敏さにあるのだ。
瞬間速度だけなら、かつての精鋭揃いの第17部隊でも“時空の残鉄鬼”ブーメル・クワンガーに次ぐレプリロイドである。
エックス「ぐっ…!!」
強化されたアーマーはマンドリラーの一撃に耐えはしたが、エックス自身に相当の衝撃を与えた。
マンドリラー「壊す気で殴ったんだがなぁ…」
あの一撃は渾身の力を込めて繰り出したのだ。
それなのに強化されたアーマーのおかげとはいえ耐え抜いた。
明らかにエックスのステータスは成長している。
もう1発喰らわせようとするが、今度は回避し、フルチャージショットを放つ。
エックス「スパイラルチャージショット!!」
大量の拡散弾を束ねた赤い砲撃が放たれた。
まともに受ければやばい。
そう判断したマンドリラーは即座に回避した。
スパイラルチャージショットは壁をぶち抜いた。
新たなチャージショット、スパイラルチャージショットの威力に目を見開いたが、エックスは少々訝しげにバスターを見遣る。
エネルギーチャージが臨界点に
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