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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
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麗羽の付き添いの武官の二人が、ペコペコと頭を下げていたけど……

 何か機嫌が悪かったのかもしれない。

 仕方がない。

 後で平原に戻ったら、改めて礼を言いに行こう。
 何かおみやげでも持っていけば、あの麗羽のことだ。
 機嫌を直してくれるかもしれない。

 ともかくも洛陽に入り、温徳殿へ参内した。
 献帝陛下にお会いすることが出来たのは、望外の喜びだった。

 劉虞に関しては『謝罪はいらぬ。むしろ朕の身内が迷惑をかけた』と、皇帝陛下直々に謝辞を述べられた。
 これにはさすがに驚いた。
 略式謁見ではあったが、天子であられる陛下が私ごときに……

 傍にいた曹操は、特に何も言わず平然とそれを見ていたが、それでいいのだろうか……?
 むしろ周りの文官が、慌てふためいているのが普通なのだから。

 ともあれ、献上品として劉虞が隠し持っていた金品の数々を陛下にお返しすることにした。
 その内訳をすべて読み上げ、書き記した目録を陛下に献上する。

「そうか……ならば、その品は全て孟徳に譲り渡すこととしよう。劉虞討伐の恩賞である。公孫伯珪、よいか?」
「はっ。元よりこれは、陛下にご返上した物。陛下の御心のままに」

 私が頷くと、ちらっと曹操を見る。
 曹操は、渋面の顔をしていたが……そのまますんなりと受けていた。

 まあ、曹操には北平を救ってもらった恩もあるし。
 元々返上していたものをどうしようと構うまい。

「それにしても劉虞め。これだけの物を貯めこんでいたとは……公孫伯珪も、それを惜しげも無く返上するとは、誠に漢の忠臣よ。これは新たに官職を与えるべきではないだろうか? のう、孟徳」

 えっ!?
 薊侯ですらありがたいのに、この上さらに!?

「陛下……陛下のお考えには賛同いたしますが、なにぶん伯珪殿は、先だって薊侯に封じたばかり。拙速に官位を上げては、周囲からの疑心の元になりましょう。伯珪殿ご自身の為にも、今回は見送られたほうがよろしいかと存じます」
「ふむ……確かに。あまり急に官職を変更しては、混乱の元となるな。では、公孫伯珪よ。戦で荒れた北平、並びに平原をよくまとめてみせよ。その報告次第で、来年にも汝を幽州牧とする。励めよ」
「は、ははーっ! あ、有難き幸せ! 不肖、この公孫賛伯珪! 全身全霊を以って復興に励みます!」

 私が……州牧!?
 この私が……

 ほとんど夢心地のまま、謁見の間を退室する。

 本当に夢みたいだと思う。
 北平の太守が、我が人生の春と思っていたのに……まさか州牧への道まで開けるとは。

 私は桃香のような人望も、盾二のような才覚も、愛紗や鈴々、星のような武力もない。
 ごくふつーの平凡な女のはず。
 にも拘らず……私が
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