第一章
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落ち着いていて。いい海ね」
「だろう?だから絵にしてみたんだ」
達也は言う。
「上手くいったみたいだね」
「そうね。だから私も負けてられないわ」
そしてその絵は彼女の絵心も刺激したのであった。
「見ていて。貴方のそれと同じ位、いえもっと凄い幸せを描くから」
「君の幸せはそれなんだね」
達也は自分の横にある諒子のキャンバスを見て言った。
「その色が」
「ええ」
諒子はそれに応える。彼女の絵は黄色い小鳥の絵であった。
「これが私の幸せの色よ。黄色がね」
「黄色かあ」
「幸せの黄色いリボンっていうじゃない。だからよ」
そしてその小鳥はまるで達也の好きな青い鳥に対抗しているかのようであった。優しく、あどけない顔をしていた。
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