変化と不変の入り乱れ
東方変形葉23話「月満つれば則ち虧く」
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「ここには、外の世界の雑貨がそろっているぞ。そう、俺が持ち込んだ雑貨がね。」
・・・もしかして、この人は・・・。
「もしかして、外来人か?」
彼に質問した。
「そうさ。」
彼は答えた。この瞬間、早苗のように外来人という共通点を共感しあえる友を見つけた気がした。
「俺も外来人だ。」
彼は目を丸くした。しかしすぐに真顔に戻り、かけている眼鏡を整える。
「・・・ふん、こんなこともあるものなのだな。何かの縁だ、お茶でも飲んでいかないか?俺は善知鳥響希だ。」
善知鳥なんて珍しい名字だな。
「俺は葉川裕海だ。お言葉に甘えて上がらせてもらうよ。・・・ところでひとつ聞きたいんだけど。」
どうしても気になったことがあったので質問した。
「ん?なんだ?」
「どうやって結界を超えて幻想郷と外の世界を行き来してるの?」
そう、ここにある外の世界の物は、ほとんどが新品だった。しかも量も多い。どうもやってきたときに持ってきたのしては量も質もおかしい。
「ああ、俺の能力さ。」
やはり能力か。
「俺は2つほど能力を持っている。まず一つ目。『障害を越える程度の能力』そしてもう一つが、『五感と六感で分析できる程度の能力』だ。」
なに?二つだって?それはすごい。
「へえ〜。とすると結界を超えることができてるのは前者の能力か。」
実は幻想郷に2種類の結界が張られているということはつい2日前に知った。博麗大結界の存在はわかっていたが、深い意味までは知らなかった。なんか紫が、「交渉しましょう。私は幻想郷の全てを教えるから、あなたはその人形の仕組みを教えて頂戴。」と言ってきた。別に人形の仕組みは秘密にするつもりはなかったので、筒に隠さず教えた。そして紫も幻想郷について一から教えてくれた。
なぜ人形の仕組みを教えてほしいのか聞いてみると、「幻想郷の管理人として、幻想郷の全てを知らなければならない。だから、その人形の仕組みを知る必要があったのよ。」ということ。しかし、紫の言い方には何か引っ掛かる。いったいなんだろうか。
「そういうことだ。まあ上がれ、お前の話も聞きたいからな。」
空気を察して人形たちは会話に入りこまなかった。さすが、できる子だ。
「―――まあ、こんな感じかな。」
一応俺の話も終わった。
「ふうん、なるほど。そこの人形たちは君の能力と結界を組み合わせ、それが複雑になっているのか。」
人形たちはびくっとして、俺の後ろに隠れた。
「大丈夫だよ、この人はこわくないから。」
「・・・ほんとう?」
「ほんと〜?」
「そう、本当。・・・まあ、そういうことなんだよ。」
ふん、と息を漏らした。
「・・・ところで、ここって人来るの?」
「ん?ああ。まあ、毎日2,3人ぐらい。」
「・・・じゃあきっとこういうのに目がない妖怪と、人間に
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