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大きな古時計
第一章
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うかなり前だよな」
 彼は中年の女、孫娘に言葉を返した。どうやら二人は兄妹らしい。
「あの長い戦争の前だよ」
「その前に結婚して」
「その頃にも時計は動いていたんだ」
 長い戦争の前にも動いていたのだ。その戦争が終わってもう長い歳月が経っている。だがその頃からこの時計は動いていたのである。
「ずっとね」
「ずっとなのね」
「ひいお爺ちゃんが天国に行くまで」
 少女がまた言った。
「動いていたの」
「それを思うと夢みたいなんだけれど」
 今度口を開いたのは青年だった。

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