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賭鬼
第一章
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は黙認されるおおらかさというかいい加減さもあったのである。
「だから町長さんも駐在さんもお目こぼししてくれたみてえだな」
「おやおや」
「そのかわりあちらさんは暫く色々と無料奉仕ってやつだ」
 つまり賭場を開くやくざの方はそれなりに色々としなくてはならないということだった。ただで賭場が開ける程やくざも上手くはいかないのだ。
「川口組さんもな」
「そうかい。まあそれならそれでわかったよ」
「おう。それじゃあよ」
「ほいな」
 女房は懐から何かを出して来た。それは火打石だった。その火打石を亭主の背中で打ち合わせたのだ。火花が少しばかり出る。
「行ってきな」
「おうよ。遊んで来るぜ」
 不敵に笑ってそのまま出る。こうして公民館で丁半をすることになった。木の板のいささか殺風景な広間でその筋の者を囲んで皆集まっている。皆町の人間だ。

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