第五章
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兄さん達の仕事に」
「うん、絶対なるよ」
両親の問いに顔を向けて答えるのだった。
「なるからね。絶対に」
「そうか。じゃあその時まで待ってるからな」
「この動物園でな」
淳と剛史が男の子の今の言葉に対して頷いた。
「楽しみにしてるよ」
「その時を」
「ゴリラの手ってとても強くて優しいから」
男の子が最初からわかっていることだった。誰も気付いていなかったがこの男の子だけが気付いていた。二人の飼育係を除いて。
「だからそのゴリラ達と一緒にいるよ」
男の子の言葉は続く。
「これから。ずっとね」
この事件からこの動物園のゴリラ達は心優しい賢者として知られるようになった。そして男の子は成長しこの動物園で働くようになった。勿論ゴリラの係として。彼は幸せだった。彼が大好きな心優しい賢者達と共にいられて。幸せな一生を過ごすことができたのだ。
優しい賢者 完
2009・5・26
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