第十二章 妖精達の休日
第一話 言動には注意しましょう
[6/17]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
っていたベアトリス殿下と呼ばれた少女もその内に一人であり。話題が変わった事に不機嫌になるどころか積極的に自分からセイバーの事について語りだす始末であった。
このベアトリスと呼ばれる少女であるが、実のところクルデンホルフ大公国の王女である。
とは言えクルデンホル大公国とは、過去、功により時のトリステイン王から大公領を賜り後に独立した国であり。外交や軍事は全て他の地方貴族と同じく王政府に頼っていることから独立したと言っても名目上のものでしかなかった。
しかし、独立国は独立国。
一国の王女でしかも美少女であると言うことから、ベアトリスが入学した当初は下にも置かない扱いを男女問わず受けていた。
このまま続くかと思われたベアトリス一党独裁の世であったが、それもセイバーとティファニアが転入してくるまでの事であった。
まさに輝かんばかりの美しさを持ったセイバーとティファニアが転入してくると、朝まではベアトリスを神のごとく崇めていた筈の男子たちは一斉に二人の方へと流れ込んでいった。いっそ清々しいと言いたくなるほどの切り替えの速さである。そんな訳で放り出されたベアトリスは面白くある訳もなく、当初はティファニアだけでなくセイバーも大いに嫌っていた。転入初日、セイバーがベアトリスに挨拶した時も無視を決め込む程であった。まあ、実のところは、ただ単に見蕩れて呆然としていただけであったのだが。ついでに言えば、その横でティファニアも挨拶をしていたのだが、セイバーに目を奪われていた少女たちの記憶には残されていなかった。
とまあ、男子の人気を取られセイバーを嫌っていたベアトリスであったが、先日階段から落ちた際セイバーに助け出されてからは一転してセイバー信者となった。元々転入当初から美しい少女でありながら、何処か鋭さを秘めたセイバーの姿に魅了された少女は多くいたが。しかし、クラスの最大権力者であるベアトリスが嫌っていたため今までその事を表に出せずフラストレーションが溜まったところに、その原因たるベアトリスが一転してセイバーの擁護を始めたのだ。元々からセイバーファンであった女子は大いに盛り上がり、今ではファンクラブのような出来る始末であった。
「でも、そんな素敵な“金色の騎士”様をあの女はまるで使用人のように扱って」
そのような事実はない。
実際は、男子を上手くかわせないティファニアを守るため常にセイバーが傍にいるだけである。ティファニアがセイバーに何かを命令する事は一度たりともなかった。しかし、そんな真実は、男子だけでなく憧れの存在を常に傍に侍らしているティファニアに対する嫉妬で簡単に歪んで見えてしまう。
「ええ、全く許せませんわ!」
「そうよ! いくら“金色の騎士”様と同郷だと言っても、限度と言うものがあるわ!」
そうよそうよ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ