第十二章 妖精達の休日
第一話 言動には注意しましょう
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だ等々所謂『強気を挫き弱気を助け』と言ったエピソードに加え、常に芯が一本入った凛とした姿から女子の間で何時しか“金色の騎士”と呼ばれ始めたのである。
だが、セイバーにヤられてその復讐にと十人近くの男子生徒が返り討ちに合い半死半生のまま保健室に運ばれたことや、ティファニアにちょっかいを掛けた事でお仕置きをされたことで色々な経験した男子生徒たちの間では“死神”と呼ばれていた。
しかし、何故“死神”なのかと言うと、セイバーへの復讐で返り討ちにあった男子生徒たちとやらは、全身を浅く鋭い刃物で切られていたのだが、返り討ちにあった生徒によるとその時セイバーは何も持ってなく、魔法も使っていなかったにも関わらず手を動かしただけで気付いたら斬られていたと言う話とセイバーのその余りの強さから何時しか“死神”と呼ばれ始めたのである。
そして勿論自分がそう呼ばれていることを、セイバーは知らないでいた。
教室に散らばった男子生徒たちが「ハッハッハッ、最近うちのジョンがだね―――」等と無理矢理会話を始めたのを横目でチラリと見た女子生徒の一人が、二つに分けた豪奢な長い金髪を大きく揺らしながらそんな男子生徒たちから顔を逸らすと鼻を鳴らした。
じりじりと焦げ付くような熱が篭った青い瞳を細めた少女は、身体の前で両手を組むと微かに背中を逸らしながら周りを見渡す。少女は背が低かったが、小さな身体から発せられる遠目からでも分かる高飛車な雰囲気と可愛らしい容姿が厳しく引き締められたその様子は、周囲に十分以上の圧迫感を与えるものであった。爛々と輝く目をティファニアが出て行った扉に向けると、少女は忌々しげに口を開いた。
「全く、あんな見るからに野暮ったい女の何処がいいのかしら、あの程度で騒ぐなんてここの男たちの程度が知れるってものね」
身体の前で組んだ腕を細かく揺すりながら金髪を二つにくくった少女がそう吐き捨てると、周りにいた他の少女たちが同意するように頷いた。
「ええ全くその通りですわ。どうせあのむ、胸も作り物に決まっていますわっ! それにあの田舎者、もう転入してから十日も立っているって言うのにまだベアトリス殿下にご挨拶をしていないんですよっ! 全く信じられませんわっ!」
「それに比べ“金色の騎士”様はその美しさだけでなく礼儀も完璧でしたわ」
「ええ、初日に直ぐベアトリス殿下に挨拶をされて……ああ、あの凛としたお姿、まるで神に仕える聖堂騎士のようにお美しくいらしたわ」
「わたし、もう息をするのも忘れて見蕩れてしまったわ」
口々にティファニアに対する非難を口にしていた少女たちであったが、その内の一人がセイバーの事を口にすると一変して陶然とした顔になってセイバーの話題で盛り上がり始めた。
ティファニアに対する非難を聞いて得意げにな
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